今夜はウランバートルから国際夜行列車に乗り、中国のフフホト(呼和浩特)まで移動します。
鉄道チケット予約
中国国境の町エレンホト(二連)からウランバートルまでは往路にバスで通ったルートのため、復路は鉄道にしてみます。
ウランバートルからエレンホトまでの鉄道は一日一本、夜行列車しかありません。それらのうち、一部は中国の北京やフフホトまで直通運転がされています。スケジュールは「中国鉄路12306 > 国際列車」で確認できます。
2025年7月時点では以下です。
出発駅 | 到着駅 | 発車曜日 |
ウランバートル | フフホト | 月、金 |
フフホト | ウランバートル | 月、金 |
ウランバートル | 北京 | 木 |
北京 | ウランバートル | 火 |
ウランバートル発の国際列車であれば、チケットはtapaで予約できます。
僕はウランバートルから中国のフフホトまでの国際列車のチケットをtapaで購入しました。国際列車の料金は割高で、国ごとにチケットを分けて買えば少し安くなるようです。
国際列車と言ってもモンゴルと中国で列車の軌道幅が違うため通しで乗ることはできず、軌道の切り替えのため国境で一度下車は必要なよう。ですので、国をまたぐチケットという表記上のロマン以外の意味はないと思います。
予約した車両クラスは “4 soft seating” で一等車みたいな扱いらしい。運賃は二等車30万トゥグルグ(約12,000円)に対して約44万トゥグルグ(約18,000円)とだいたい 1.5 倍くらいの価格です。
路線バスでウランバートル駅へ
16時ごろ、まだ時間はかなり早いですがウランバートル駅へ向かいます。
路線バスに乗るため、ホテルから少し歩いてМУБИС停留所へ。幹線道路を通るバスは頻発していますが、鉄道駅行きは本数が少ないようで20分ほど待ちました。

16:30 頃、ようやくやってきたバスに乗って駅へ。駅まではそれほど距離はないのですが、スフバートル広場の前が渋滞で一向に進みません。
せっかくのバス専用路線も交差点で渋滞の車に入り口がふさがれて入れません。そこ停車禁止じゃないのかな……。広場前の数百メートルを抜けるのに15分くらいかかりました。
途中でかなり激しい雨が降ったものの、駅に着くころには小降りになっていました。ウランバートルでの滞在中、いつも夕方はスコールが降っていた気がします。

バスは17時過ぎに駅に到着しました。

列車の発車予定時刻は20:22。まだ3時間ほどあるので読書などして待機します。
待合室の座席はたぶん50席もなく、首都とは思えないほど小さな駅です。そんな狭いスペースに置かれたピアノを弾いている人がいてなんかいいなと思いました。

チケット変更
20時ごろになり発車時刻が近づいたのでホームに向かいます。
線路をまたいだ反対側のプラットフォームに行きたいのですが行き方がわからず、うろうろしていたらホームから見えにくい駅の入り口脇に地下道がありました。

20:22発の列車はすでにホームに停まっており、乗り込もうとすると係員さんに止められます。英語が通じないので翻訳アプリで会話します。

どうもフフホト付近で大雨のため列車が運休しているそう。同じ列車がエレンホト止まりになるというだけなので今のチケットで乗れないかと思ったのですが、どうやら一度チケットの払い戻しをして変更しないとダメとのこと。
仕方がないので再び地下トンネルを戻ってチケット窓口へ向かいます。発車まであと20分くらいなんですが間に合うか……?
チケットカウンターでも英語は通じないためアプリでなんとかやりとりしてチケットを変更。エレンホトまで二等車で約24万トゥグルグ(約9,500円)。

どうやらエレンホトまでは二等車の設定しかないらしい。夜行区間はエレンホトまでなので、”4 soft seating”にしてもいい寝台で寝れたりはしないってことか。
差額の8,500円ほどはクレジットカードへの払い戻しはできず、現金で支払われました。
いやこのタイミングで現金もらってもな……。モンゴルの通貨は原則として国外に持ち出せない、という情報を見たことがあるのですが、中国で両替できるのでしょうか。
まあ、無事チケット変更はできて良かった。
にしても、この変更って何か事前連絡あったのかな……。tapa経由ではメールもSMSも来てませんし、待合室でも英語のアナウンスはなかったと思います。次乗ることがあれば、駅に着いた時点で一度係員に聞いたほうがいいな。
国際夜行列車に乗車
改めて列車に戻り、自分の車両を探して乗り込みます。入口で乗務員さんにチケットを見せるとそのままチケットを没収されました。
さっき買ったばかりで席番号がわからないのでチケットをもう一回見せてほしい。言葉が通じないのでこの程度のやり取りでも時間がかかります。

寝台席はベッド4つごとに部屋が分かれています。同じ部屋に乗客はもう一人(モンゴル人)だけでした。

中国入国カードやシーツなどが配られ、自分で寝台をセッティングします。シンプルな寝台ですがコンセントは廊下に、USBポートが上段のベッド近くにありました。

ようやく列車が発車して一安心……。ですが、もともと国際列車でフフホトまで移動する予定だったため、明日のホテルはフフホトに予約しています。できれば携帯の電波がつながるウランバートル付近にいるうちに明日の算段を立てておきたい。
明日中にフフホトまで移動する方法がないか調べると、普通列車チケットがTrip.comで予約できました。大雨といっても全路線が運休しているわけじゃないのかな……。よくわかりませんが、一応チケットは確保しておきます。
そんな感じで調べものをしているうちに外は完全に暗くなり、携帯の電波もなくなったので就寝です。
入出国審査
翌朝、朝7時頃に乗務員さんが一度起こしに来て、8時ごろにはシーツなどが回収されて強制起床です。そろそろモンゴル側の国境ザミンウードなので、こういう備品はザミンウードで降ろしてしまうのでしょう。
少ししてザミンウード駅に到着。ホームには降りても大丈夫なよう。国境警備員が順番に客室を巡回し、客室内で出国審査が行われます。

審査は警備員のポータブル端末でパスポート読み取りと指紋採取をしただけで、特に何も聞かれることなく無事出国。モンゴル出国時に出国税が必要という情報も見かけたのですが今は要らないようです。
その後、軍人らしき人が客室の中に変なものがないかチェックしに来ます。寝台の下とか細かく見る割に僕の荷物は全スルーだったので、見るところ違うのではと思いました。

……乗車するときにもらったモンゴルの税関カード、誰もチェックしに来ないんですが捨てていいのかな。少しばかりの謎を残したまま、列車は十時過ぎに中国へ向けて発車しました。
中国側の国境沿いは二連浩特(エレンホト)国門景区として公園のようになっており、国境とこの列車を見に来た観光客がぽつぽついます。
列車はすぐにエレンホトの鉄道駅に到着。ここで列車を降りて入国審査です。ノービザ入国二回目ということで多少審査は厳しくなるかと思いきやあっさり通過。二ヶ国目、中国に戻ってきました。
……審査は鉄道の方が楽ですけど、バスの方が国境越えの不安とドタバタ感があって良かったな。

到着した駅舎と国内列車の発車駅は隣り合った別の建物になっているため、一度外に出て移動します。前にエレンホトに来た時は鉄道駅のほうには来なかったので新鮮です。

二等寝台でフフホトへ
駅の待合スペースで時間をつぶし、エレンホトを13時半に出る普通列車に乗車します。

予約したのは二段の寝台席の硬臥(二等寝台、硬いベッド)で、料金はおよそ 2,100円ほど。フフホトまでは約7時間半の予定です。

前に乗った普通列車は冷房があったのですが、この列車は冷房なし。気温も高いので寝台の中は蒸し暑くて結構きついです。

一部屋にベッドが4つで、広さはモンゴルの車両と同じくらいでしょうか。

通路なら窓から風が吹き込むため、乗客はみんな通路で時間をつぶしていました(通路にも数は少ないが折り畳み式の座席がある)。

下着さえ履いてればok的な?

列車はゆっくりとフフホトに向かって進みます。乌兰察布市(ウランチャップ)までは往路でもバスで通ったルートとほぼ同じ、一面の荒野か草原が続きます。


列車は21時ごろにフフホトへ到着。

特に大雨とか冠水の様子は見られず至って普通です。まあ国際列車はいろいろ運用難しそうですし、大雨の可能性があるのでリスク回避的な運休ってことでしょうか。
いずれにせよ、フフホトまで来られて一安心です。
フフホトに到着
フフホトは内モンゴル自治区の首都(首府)なので大都会です。

ホテルはフフホト駅すぐ前に予約しました。これくらいの時間だと駅の目の前というのは安心感があります。
「逸家ホテル」で一泊約5,000円。モンゴルと比べるとだいたい半額くらいです。


夕食は安心のチェーン店「李先生」で招牌(おすすめ)牛肉面とビールを頼み、丸一日の移動の疲れをいやしました。
明日はフフホトを少し観光してパオトウ(包頭)に向かいます。