ニイハオ!今日はモンゴル国境手前の町 二連(エレンホト)へ郊外バスで移動します。
郊外バスへ乗車
二連へのバスチケットは先日22日にバスターミナルで購入済みです(138元、約2,760円)。
バス出発時間の8時10分に合わせて、7時半にホテルをチェックアウト。通勤ラッシュにはまだ早いかと思いましたが、ホテル周辺はすでに渋滞しています。ホテル前は駐車禁止のため少し離れた位置にアプリでタクシーを呼びます。
渋滞のため、ホテルを回り込んで方向転換するだけで10分ほどかかりました。このペースだとバスに間に合わないのではと少し焦りましたが、ホテル周辺を抜けたら後はガラガラでした。
大同南駅の隣にあるバスターミナル(大同综合客运枢纽站)へは7時50分ごろに到着。保安検査をして建物内に入ります。

二連までは長時間の移動になるため水や軽食を買いたいのですが、ターミナル内に商店が見当たりません。唯一あった自販機も中国の身分証が必要なタイプで外国人には使えませんでした。途中で休憩はあるだろうからその時に買うか……。
待合室で座っていると係員さんが中国語で話しかけてきて、意思疎通できないでいると諦めてどこかに行ってしまいました。たぶん別便の乗客で来てない人を探してるのでしょうか。普通なら無視して置いてかれると思うのでわりと親切です。

8時過ぎになり、「アーリャンアーリャン!(二連の中国語読み)」と二連行きの呼び出しが始まりました。立ち上がったのは僕一人。いい感じに不安です。
改札を抜けるとバスではなくミニバンに乗るように指示されます。
数年前のブログに「最初はミニバンで移動してバスに乗り換える」と書いてあったので情報として知ってはいたのですが、今のバスターミナルの建物が新しそうだったのでターミナル機能は全部統合されたんじゃないかと勝手に思ってました。ミニバンの見た目がそのブログのままでちょっと笑ってしまいました。

ミニバンはバスターミナルを出て、不自然なくらいゆっくりと走ります。「こんな運転でのんびり国境まで行くのもいいなあ」とほのぼのしていたところで、突然 運転手が人が変わったかのようにクラクションを鳴らしまくったので驚きました。コワ、二重人格か何か?
異常にゆっくり走ってたのは前の信号が赤だったからで、青になってすぐ前の車が動かなかったので苛ついたらしい。どうやらこの運転手は信号とかで一時停車するのがどうしても嫌なようだ。中国の運転手はガンガン前に詰めてく人ばかりかと思っていましたが、いろんな人がいるなあ。
ミニバンは8時半ごろに東バスターミナル(大同汽车客运东站)へ到着しました。ここでバスに乗り換えるのかと思ったら、プラットフォームではなく裏手にある建物の方へ向かっていきます。
この建物はどうも社食のようで、運転手さんが食事しに寄っただけでした。このパターンは予想できなかったな……。「まあ腹減ってるなら仕方ないか」と思い車内で待っていると「お前も来い」という感じで呼ばれます。見た感じ旅客向けの食堂じゃなさそうなんですけど入っていいのかな。

メニューもないのでどうしたらいいか迷っていると、運転手さんが自分と同じやつを頼んでくれました。 麺とスープ的なもので6元(約120円)。味はまあ素朴な感じです。

食後に再びミニバンに乗り込み、東バスターミナルのプラットフォームの方へ向かいます。このターミナルにも商店はありませんでしたが、チケットカウンターで水が買えました。
ターミナルでもう1人乗客をミニバンに乗せて、9時ごろに再度出発。ここでバスに乗り換えるわけじゃないのか……。
ミニバンはまたしばらく走って、バス停でもなんでもない普通の交差点に止まります。ここで荷物を下ろせと言われたのでどうやら乗り換えのようです。
交差点の真ん中では事故った車同士が揉めています。中国ではたまに見かける光景です。

しばらくして西側の通りからバスがやって来ました。バスの表示は大同発になっているため、他の街から来たわけではなさそう。どうも市内にもう一つ謎のターミナルがあるみたいです。

ミニバンの運転手さんとはここで別れてバスに乗り込みます。バスは9時半ごろ発車。車内表示によると二連まで7時間ほどかかるようです。まあ僕がバスターミナルを出発してから既に一時間半ほど経ってるんですけど。
これ、いつもバスに乗るまでこんなに時間がかかるのかな……。今日はたまたまバスの出発時間が遅れたから、運転手さんが食事とかで時間潰ししてくれたんだと思いたい。いずれにせよ、このバスの発車場所から乗った方がいいな。
バスは大同を出て、小高い丘を越えていきます。さようなら大同。

しばらくして内モンゴル自治区に入り、10時半くらいに最初の町 羊鎮に着きました。バスは路上に何度か止まり、数名の乗客や荷物を載せていきます。
この車はトランクだけじゃなく座席にも満載されたパンを荷台に積み込んでいました。有名店なのでしょうか。

この辺、これまでの街と比べても所得階層が落ちた感じがします。内モンゴル自治区は一人当たりGDPは比較的高かったはずですが、大部分が資源に依っているのでこうした村々にはそれほど恩恵がないのでしょう。
道路は途中から線路と並走します。草原では牛が草を食んでいます。二連へはバスよりも電車で行くほうが一般的なよう。電車だとこの線路を通っていくのでしょうか。

11時半過ぎに乌兰察布市(ウランチャップ)を抜け、少しして高速道路に乗ります。この辺の高速道路は大同あたりとは異なり片側一車線の普通の道です。
内モンゴル自治区では、標識や建物の看板の一部にモンゴル文字の振り仮名がついています。文化保護のためにはいいと思うのですが、縦線の脇に細かい装飾がある形なので遠目に区別するのが難しそうです。

しばらく走った後、途中のガソリンスタンドで休憩になりました。トイレは当然ニイハオ形式です。まあそうだろうと思っていたので僕はバスに乗る前に済ませておきました。ニイハオ形式は絶対嫌というほどじゃないですが積極的に使いたいわけでもないので。

草原に雲の形の影がゆっくりと流れていきます。生き生きとした緑ではなく、ところどころ土が見えていて少し荒れた感じです。

景色はずっと草原というわけでもなく、資源の加工用なのかシベリア鉄道での輸出用なのか大きな工場もちらほらあります。工場の間を送電鉄塔が何系列も連なって繋いでいます。送電線を複数系列 建てるのは大変な気がしますけど、容量とかバックアップのためでしょうか。

バスは二連の少し手前で謎の街に停車します。こんな町でも降りていく人がいるんだなあ。

ここまで乗ってきた人はみんな終点まで行くかと思ったら、途中の物流拠点のようなところでまた半分くらいの人が降りていきました。拠点の敷地の中には、韓国から中国への移動で乗ったWeidong Ferryのコンテナが置かれていました。お互い遠くまで来たな、とちょっと感慨に耽ります。

二連の手前に検問があり、警察がバスに乗り込んできました。他の乗客は身分証を見せるだけでOKでしたが、僕だけ簡単な質疑をされました。どうもビザがないので疑問に思われたよう。ビザ免除について中国語では説明できなかったので、携帯で翻訳を見せたら解放されました。

検問を抜けるとバスはようやく二連市内へ入ります。
二連は恐竜の化石で有名なゴビ砂漠とも近く、この辺でも化石が多く見つかっているそうです。恐竜はこの町の重要な観光資源のようで、道路脇の公園には恐竜のオブジェが並んでいます。

バスは17時ごろにバスターミナルへ到着。緯度は上がったのですが大同と比べて暑いです。

バスターミナルで明日のモンゴル行きの国境越えバスを調べたかったのですが、チケット売り場には誰もいません。乗り場の係員さんに聞いてみても会話が通じなかったため、諦めてホテルへ向かいます。
バスターミナルからホテルまではタクシーで8元(約160円)。

今日は中国最後の夜なのでちょっと贅沢したいと思い、二連で一番高いホテルを予約しました。といっても、この町のホテルの最高値が1.1万円くらいなので大したことはないです。
泊まるのはその価格帯の中で一番レビューが良さそうな「エレンホト銀疆ホリデイホテル」で、Trip.comだと割引が効いて約8,000円。

ホテルにチェックインした後、ATMへ現金をおろしに向かいます。出国間際になって現金をおろして余らせるのは嫌なのですが、「国境越えバスチケットの購入には電子決済が使えない」という情報があったので念のため。中国にはまた戻ってくる予定なので、余ったらその時使えばいいでしょう。
ついでに近くの公園を散歩します。お祭りか何かをやるみたいで屋台が出ていました。展望台があったので登ってみましたがそこまで遠くは見渡せません。また、足元の板からみしみしと音がして怖いです。

二連は国境以外に何もないさびれた町かと思っていましたが、モンゴル国境を見に来る観光客や工業団地とかで思ったより賑わっているようです。
夕食はホテル近くの食堂で串焼き。前金方式なのですがテーブルに貼付されているQRだと僕の携帯からは決済できず、注文のたびにテーブルとレジを往復して支払ってました。

明日はモンゴルへ入国後、ウランバートルまで移動します。