ニイハオ!今日は張家口近郊の鶏鳴古城と大境門長城を観光します。
鶏鳴古城への行き方
鶏鳴古城は中国江蘇省西北部、徐州市の銅山区にある古代城塞で、戦国時代に楚の要塞として築かれました。その後、漢・唐・明代を通じて増改築され、特に明代に石造の城壁が完成しました。
城壁は全長約1800メートル、高さ7メートルにおよび、東西南北に四つの城門が配置されています。城内には古代兵営跡や鐘楼、古井戸などが残り、軍事と行政の中枢だったことが伺えます。石積みの技術や門楼の木造建築が今も往時の姿を伝えています。
鶏鳴古城は簡体字で書くと「鸡鸣古城」。なんか殺人事件でも起きそうな名前です。
この鶏鳴古城、ウェブで検索すると「町が死んでいる」「来たら後悔する」と散々な書かれようで、逆に興味が湧きます。
張家口から鶏鳴古城へは高速鉄道とタクシーで簡単に行くことができます。最寄り駅は張家口から一駅の下花園北駅です。
いつものようにTrip.comで鉄道を予約します。行きは一等が売り切れのため二等で約600円、帰りは一等で約1,200円ほどでした。
ホテルから張家口駅までは2kmほどあるためタクシーで移動します。配車アプリで7.01元(約140円)と昨日のメータータクシーより少し安かったです。普通は配車アプリだと手数料分高くなるのですが、駅から来る時ははルート的に少し遠回りになるのでそのせいでしょうか。
保安検査をして駅に入ります。予約したのは張家口を8:44発のD1002という列車で、目的地の下花園北までは1駅15分ほどです。
列車に乗り込むとあっという間に下花園駅に着きました。下花園は新幹線の過疎駅のように何もない所に新しい駅だけ、みたいな感じを想像していましたが、小さいながら街に隣接しています。

下花園北から古城までは6kmほどあるためタクシーで移動します。これまでの駅乗り場のタクシーはメーター制でしたが、ここは交渉制。運転手に聞くと古城まで30元(約600円)と言われました。配車アプリの金額と比べつつ5〜10元くらい値切れるかな、と一瞬考えたものの、死んだ町でタクシー運転手やるしかない人から値切る気にならず言い値で払いました。
鶏鳴古城
古城の西門へ到着。城壁は高さ12メートルほどあり結構高いです。時代は全然違いますが、漫画キングダムで出てくる町の城壁もこんな感じだったのかな。

門の脇にチケット販売所があり、区画全体への入場料は40元(約800円)。門のすぐ脇から城壁に登れ、歩いて一周できます。

町の中は一般人も生活していますが、荒れ果てた建物も目立ちます。それにしても観光客全然いないな……。
城壁の上からは鶏鳴山がいい感じに見えます。

古城は雰囲気は良いのですけど、遠くに見える高層団地や風力発電といった人工物と、すぐ近くを走る貨物列車や幹線道路の音でいまいち雰囲気に浸りきれません。周囲が平原と山だけだったらどんな感じなのかなあ、と想像しながら歩いていました。

城壁をのんびり一周して30分くらい。そのあと、町の中を歩いてみます。
中心の通りにはいくつか観光客向けの店があるものの、半分くらいは閉まっています。見かけたのは個人観光客が数組と、ツアー客っぽいグループが1つ。これまでの観光地と比べても閑散としています。北京からも近いし、紫禁城とかで場所取りしながら映え写真撮ってる人が少しはこういう所に流れてきてもいい気がしますが……。

カフェとかあればのんびりしようかと思ったのですが、いい感じの店は見当たらず。少し外れたところではホテルのような建物の工事をしていたので、泊る客が増えればもう少しにぎやかになるのかもしれません。

もともと帰りは13:15の電車を予約していましたが、やることないので電車を一本早い11:28に変更して帰ることにします。配車アプリでタクシーを呼んで駅へ戻ります(25.2元、約500円)。
タクシーは鶏鳴山のすぐ脇を通って駅へ向かいます。来た時は方角的に気づきませんでしたが、近くで見ると思ったより岩が刺々しくて格好いいです。

下花園北駅では入場時のパスポートチェックは不要で改札時のみでした。そのせいか荷物検査は他より厳しめでモバイルバッテリーを取り出してチェックしていました。
高速鉄道に乗り、15分ほどで張家口へ戻ります。
張家口堡
続けて張家口を観光します。まずは張家口堡という明代の要塞に行ってみます。
高速鉄道駅から張家口堡は8kmほど離れており結構遠いです。駅からはK1路というバスが10分おきくらいであるため乗ってみることにしました。

バスは張家口の目抜き通りを北に向かって走っていきます。途中のデパートにはユニクロ、スタバやバーガーキングもあり思ったより栄えています。張家口はちょっとした地方都市かと思いきや、人口400万人ほどで横浜よりも多いくらい。中国の人口のスケール感はまだ実感がわきません。
張家口堡を歩いてみます。もっと観光地化されて見た目が浄化されているかと思ったら、意外と古い雰囲気の建物が残っています。ここも観光客はまばらですが、住んでいる人も多そうですし荒れてはいません。

建物の隙間から木が生えているのがいい感じ。

昼食は近くのショッピングモール内にあった「米村拌飯」へ。ここは人気のあるチェーン店のようで、中国人でほぼ満席です。

大境門長城
大境門長城は、中国河北省張家口市に位置する明代の万里の長城の重要な関所で、嘉靖年間(16世紀中頃)に築かれました。
「内三関」の一つで、モンゴル高原との境界にあたり、軍事的にも交通的にも戦略的要衝でした。大境門は高さ約12メートル、幅9メートルの壮麗な門楼を持ち、青レンガと石で頑丈に築かれています。門の上部には「大好河山」の扁額が掲げられ、長城の雄大さを象徴しています。門を抜けると、山並みに沿って長城が連なり、見張り台や堡塁も点在し、明代軍事建築の特徴が随所に見られます。
続けてさらに北にある大境門長城へ行きます。これも万里の長城の一部で、地図をみると先日行った金山嶺にもつながっているようです。
古城までは配車アプリで9元(約180円)。景区の北側にチケット売り場があり、入場料は40元(約800円)でした。

大境門の脇から入場し、城壁に沿って小山を登っていきます。城壁や景観は金山嶺と比べると地味に見えてしまいます。

途中にある展望台から張家口を一望できます。確かに大きいけど400万都市というほどじゃないような……ここから見えないところにも街が広がっているのでしょうか。

地図アプリ上では、入ってきたゲートとは別に東側にも出入り口が表示されているため通り抜けてみることに。途中からウォーキングコースを外れて崖沿いを降りていきます。
出口と思しきところを見ると住宅街の裏手に繋がっているようです。ただ、どうも出口があるようには見えず嫌な予感がしてきました。

下まで降りてみると、道はつながっているものの二つの門で仕切られて出られないようになっています。頑張れば門を乗り越えられそうですが完全に不審者なので、大人しく入口へ戻ることにします。出られないなら降り口も塞いでおいてくれ。
入り口へ戻り、大境門の南側へ行ってみます。門の南側は観光地化されており、観光客向けの綺麗な町並みが広がります。蜜雪冰城というチェーン店でオレンジジュース的なものを注文。
蜜雪冰城は中国に約4.1万店舗あるドリンクとアイスのチェーン店です。
中国の商店だと冷蔵庫の飲み物が冷えてなかったりしますが、ここならキンキンに冷えた飲み物が5元(約100円)程度で買えるので最高です(商店のソフトドリンクは60~80円くらい)。
一通り観光したのでタクシーでホテルへ帰ります。
夕食はホテルから少し歩いた食堂「承德羊汤」へ。羊杂汤と焼餅で20元、ビール含めて合計26元(約520円)でした。スープはさっぱりめで美味しい。

明日は大同へ移動します。