ニイハオ!今日は赤壁古戦場を日帰り観光します。
西暦208年、後漢王朝の権威が失われ、各地の群雄が割拠していた時代に赤壁の戦いが起きました。
北方をほぼ統一した曹操は、南方制圧を目指して大軍を率い長江流域へ南下しました。一方、荊州を失った劉備は孫権と同盟を結び、連合軍を組織して曹操軍を迎え撃ちました。
戦闘は長江の支流沿いで行われ、曹操軍が水軍戦に不慣れだったこと、疫病の蔓延、南方軍の地の利などが影響して、連合軍が勝利を収めました。曹操は撤退を余儀なくされ、以後、中国は魏・呉・蜀の三国に分立する道をたどります。
赤壁の戦いはまさに歴史の転換点となった戦いです。
高速鉄道で赤壁古戦場へ
赤壁古戦場は武漢の南、赤壁市の郊外にあります。
武漢からだと中国人向けの日帰りツアーで行くのが安いし簡単そうです。僕は一人がいいので高速鉄道で行ってみることにします。
予約した列車は7時過ぎのG431、二等で約1,600円です。武漢駅から赤壁北駅までは120kmほど離れており、高速鉄道でも40分ほどかかります。
早朝、ホテルから歩いて武漢駅に到着。待合スペースの上のローソンで朝食を食べます。

中国にはセブンイレブンやファミリーマートも進出していますが、日系コンビニの中だとローソンが約6,300店舗で一番多いよう(23年末時点)。といっても、都市部でたまーに見かける程度です。
牛乳みたいな生鮮品は日系コンビニだと安心感があります。中国だと清涼飲料は日本の半額ほどですが、牛乳は小さいものでも10元(約200円)くらいで日本と変わらない感じです。
武漢から高速鉄道に乗り、40分ほどで赤壁北駅に到着。

赤壁北駅から古戦場までは40kmほど離れています。百度で調べると直通のバスは頻度が少ないようで、途中で乗り換える経路が出てきます。
僕はまだ暑くないうちに到着したかったので、行きはタクシー、帰りはバスで行ってみることにしました。
駅前に停まっていたタクシーと話して古戦場まで130元(約2,600円)。40分ほどで古戦場の入口に到着しました。

赤壁古戦場を観光
古戦場のチケットは135元(約2,700円)。前日までにTrip.comで買うと1,600円とかなり割引されます。
チケットゲートから入場しようとすると係員さんに何か言われて止められます。どうも入口で9時からショーがあるので見ていけ、ということらしい。
近くの通路のベンチで座って待っていると、音楽が聞こえてきて何やら始まりました。騎馬兵とかが順番に出てきてちょっとしたパフォーマンスをする感じです。



女官、文武官などかわるがわる結構な人数が出てきます。見学者は2〜30人ほどなので、出演者と見学者が同じくらいの比率です。特に座席とか見学スペースの区切りみたいなのはなく、広場内の好きな場所から見学します。

終わった後は演者との写真タイムがあり観客が群がっていました。ヒーローショー的な感じでしょうか。
古戦場内ではいくつかの場所でこうしたショーがありタイムテーブルが掲示されています。見学者はそんなに多くなさそうなので、演者や馬を維持するの大変そうです。

ショーが終わったので改めて入場します。景区内は広いため観光車で移動します(20元、約400円)。

観光車はいくつかのスポットに停まるので降りて観光する感じです。ただ、古戦場以外はそんなに大したものはなさそうです。
雕塑園
赤壁に限らず、三国志の名場面をもとにした彫像があります。
赤壁の戦いで勝利を収めた周瑜が赤壁山の岩に「赤壁」の二文字を刻みつけたときの様子(周郎刻壁)。

赤壁古戦場
古戦場近くの停留所で観光車を降りると巨大な周瑜像が目に入ります。

三国志演義や映画レッドクリフでは諸葛亮孔明の活躍が目立ちますが、正史・史実では孔明は赤壁にはおらず、周瑜軍対曹操軍の戦いだったらしい。火計など演技の元ネタになるものは周瑜軍によって行われたようだ(『三国志 演義から正史、そして史実へ』渡邉 義浩)。
像がある小山の上から川岸に降りられるようになっています。
古戦場は、長江沿いの岩壁に摩崖石刻が刻まれているだけです。此岸側に周瑜軍、対岸側に曹操軍がいたはず。1800年ほど前の戦いの様子が今に残っているというのはすごいな(正確な場所についてはまだ議論があるそう)。

石刻は色が塗られたもの(1号)だけでなく、すぐ隣にもいくつか「赤壁」と跡が残っています。この辺のはどれも明代に刻まれたものらしい。他の内容ならともかく、なんで同じものをいくつも彫ろうと思った?

博物館
古戦場から少し歩いたところにある博物館へ。実物はあまりなくインタラクティブ展示が中心です。

路線バスと高速鉄道で武漢へ
一通り見学して、今の時刻は10時半。赤壁北駅への直行バスは12:00までないため、路線バスを乗り継いで帰ることにします。
まずは19路というバスに乗り、一時間弱で赤壁市街の西にある城南客貨運輸停留所というバスターミナル的なところへ出ます(5元、約100円)。

そこから赤壁市内を走る10路に乗り継ぎ、30分ほどで赤壁北駅へ着きました(1.5元、約30円)。

城南客貨運輸停留所から赤壁北駅へは直線距離では6kmほどですが、市街を遠回りしていくため結構時間がかかりました。古戦場まで簡単に・安く行きたいなら、赤壁北駅から19路の停留所の間だけタクれば2~30元・一時間くらいで行けそうです。
今の気温は40度ほど。駅の待合スペースに冷房はないため、送風機の前に氷が置かれていました。

帰りの列車は12:40発のG1168で、終着駅は1,500キロほど離れた銀川。乗る列車が長距離列車だとなんだかテンションが上がります。僕はすぐ降りるんですけど。
40分ほどで武漢に帰ってきました。
今いるホテルの近くには食堂がないため、昼食、夕食は武漢駅の1Fで食べることにします。通常の鉄道駅だと飲食店は駅の改札内にあり鉄道チケットがないと入れないのですが、武漢駅には改札外スペースにもいくつか店が出ています。
昼食は安心の「李先生」で食べて、夕食は「真功夫」というチェーン店へ。こちらは今日初めて入りました。排骨飯的なやつのセットで64元(約1,280円)。

明日から黄山へ登山します。
