ローカルバスで泰安から安陽へ (2025/6/11)

中国

ニイハオ!今日は泰安から安陽へバスで移動します。

ローカルバスとニイハオトイレ

百度地図によると安陽まではローカルバスで移動するのが最も早く4時間半ほど。チケットは90元(1,800円)で先日購入済です。

バスは一日一本のみで朝9:00出発です。乗り逃さないよう早めにタクシーでターミナルへ向かいます。いちおう、代替手段として高速鉄道を乗り継げば移動できるのですが、遠回りになり270元(5,400円)くらいかかります。

泰山も安陽も観光地としてはかなり有名どころですが、それらを結ぶ便が一日一本ということはあまりメジャーな移動ルートではないようです。普通はどう移動するんだろう、鄭州とかに行くのかな。

バスターミナルの入口で荷物検査をして、チケットに記載されたプラットフォームの前でしばらく待ちます。英語のアナウンスなんてないので、時間が近づいたら雰囲気で改札へ向かいます。

改札の向こう側にロータリーがあり、目的地別にバスが停まっていました。安陽行きはロータリーの反対側だと言われたので側道を通って回り込んでいきます。

バスのトランクに荷物を預けて乗車します。乗車率は50%弱。みんな一人移動らしく、見事に片側2列席の片方だけ埋まっています。車内は冷房もかかっておらずめちゃくちゃ暑いですが、発車まで10分ほどなので耐えます。

発車の数分前にようやく冷房を入れてくれて、定刻通り9時に発車。一応人数確認とかシートベルト締めろとかも(言葉わからないので雰囲気ですが)言ってくれるのでちゃんとした運用がされているようです。

バスにはチケットをもぎる係員のおばさんも同乗しています。運転手にワンオペさせないのはホワイト企業だなあ。

このバスには市内の他のバス停からも乗れるようで、バス停のたびに係員のおばさんが呼び込みしています。バスは今朝までいたホテルのすぐ北の道路を通っていきます。ここから乗れたならバスターミナルまで移動する必要なかったですね。途中乗車した人は係員さんに電子決済で運賃を支払っていました。

昨日乗った路線バスとは違って、このバスはそこそこ飛ばすしクラクションを鳴らしまくります。他の車はあんまりクラクション鳴らしてないので、国柄というより運転手の性格でしょうか。

バスは直通ではなく途中の街々を経由していきます。50分ほどで肥城という街へ。20階くらいの建物もありそこそこ都会のようです。というか、まだ泰安から全然進んでないんですが本当に4時間半で着くのかこれ。

外に目をやると、畑の中に石碑みたいなものがちらほら建っています。最初は史跡かと思ったのですがどうもお墓みたいです。土を盛った小山に花を供えているだけのお墓も結構あります。土葬が多いらしいので、人間の養分も作物に還元されていく感じでしょうか。

また、不思議に思うのは家の前をゴミ捨て場にしてる人が結構いるということです。ごみ収集みたいな公共サービスがないのかもしれませんけど、地域でごみ置き場を決めて持っていくくらいはしてもいいんじゃないでしょうか。

三時間半ほどたってようやくルートの半分を過ぎたところで、バスはとある建物の前に止まりました。ここで20分間の昼食・トイレ休憩だそう。バスから降りて建物の裏手にあるトイレに向かうと、青いトタンにスプレーで雑に「男」「女」と書かれたボロ屋があります。入ってみると床に屈みこんだおじさん二人と順に目が合いました。

これは……噂には聞いていたニイハオトイレというやつでしょうか。トイレの個室に壁がないのでおじさんがニイハオしているところが見えます。

実際見るまではちょっと不安でしたが、僕はこれいけますね。これなら欧米のレストランに一人で入るほうがきつい。一緒に入る人みんな同じことしてますし、相手を個人と認識してないので気にならないというか。銭湯とかと同じようなもんです。まあ、いざ本番となったら出なくなるかもしれませんけど。僕は今回は小さいほうだったので、背後でニイハオしているおじさんの視線を感じつつ壁にかける感じでした。

それよりも、食堂内の床にゴミや食べかすが散乱していて汚すぎたのが嫌でした。一日じゃなく何日も掃除してないだろというレベル。食堂には簡単なビュッフェとカップラーメンとかがありましたが食事するのはやめておきます。これくらいが一般よりちょい下レベルの食堂なのかなあ。参考にビュッフェの値段を見ておけばよかったです。

休憩中、バスはロックされて締め出されるので外でしばらく待ちます。おじさんたちは気にせず食事していましたが、若い人はみんな僕と同じように外で待っていました。やっぱ嫌なのかな。待っている僕たちの隣で、カップラーメンを持ったおばちゃんがなぜかゴミ箱をひっくり返し始めました。おかずでも探しているのでしょうか。

ようやく休憩時間が終わったのでバスに乗り込みます。バスの中を数匹のハエが飛び回っていてうっとおしい。休憩前まではいなかったので、さっきのゴミ箱のせいでは。

数分走ると徐庄鎮という小さな町に入りました。こんな近くに町があるなら、さっきの食堂よりいい休憩スポットあるでしょ……。

バスが高速道路のICに近づくたびに「そろそろ高速に乗ってくれ」と祈っていたのですが、バスはその後もずっと下道を走り続けます。だいたいG341という幹線道路上を進んでいたようです。

15時20分ごろ、6時間ちょっとのバス旅を終えて安陽に到着しました。思っていたより時間はかかったものの、ちょっとローカル感を感じられる移動でよかったです。とはいえ観光地間を結ぶバスですし、田舎の方に行けばもっとやばいところはいくらでもあるんでしょう。

安陽へ到着

バスターミナルからホテルへ歩いて移動します。ホテルのチェックインでのパスポートコピーに若干手間取りました。「錦江之星(ジンジャンイン)」で一泊約2,400円。これまで泊まったホテルより1ランク安めで、設備は少し古びてますがそんなに気になりません。

駅周辺を少し歩いてみます。シャッターが下りている店やつぶれて廃墟になったホテルもあり、繁華街という雰囲気ではありません。高速鉄道の駅が郊外にできたため、安陽駅周辺は廃れていっているようです。

少し歩きまわって、ホテル近くにある「李先生」というチェーン店の麺屋さんへ。ここは泰安でも店舗を見かけました。招牌牛肉面と羊肉の串焼きで36.9元(約740円)。辛いスープが結構おいしいです。

安陽についてから空気の汚れがひどく、目の違和感がさらに増した気がします。体感ですが、安陽>>泰安>青島という順につらいです。まあ数日なら深刻な影響はないでしょうが、次は大気汚染で有名な北京なのでこれ以上ひどくならないことを祈ります。

夕食は後で食べようと思っていたのですが、ホテルでごろごろしていたらそのまま寝てしまいました。

明日は殷の遺跡を観光して、郊外の林州という街に向かいます。