カラコルムでモンゴル最大の祭りナーダムを観戦(2025/7/9)

モンゴル

今日はナーダムを観戦に行きます。

ナーダムとは

ナーダムとはモンゴルを代表する夏祭りで、相撲・弓術・競馬の三大競技を中心に行われます。

その起源は遊牧民の軍事訓練や神々への祈りにあり、13世紀のチンギス・ハーンの時代まで遡ると言われています。1921年にモンゴルが清朝から独立を果たしたのち、7月11日の独立記念日と結びつき、現在では国民の誇りを示す祭典として定着しました。

首都ウランバートルのナーダムが最も規模が大きく、11日から13日。競技ごとに会場が分かれており観覧にはチケットが必要。今年は天皇陛下もご観覧されます。

一方、カラコルムなど地方都市や村々では同じ時期によりローカルなナーダムが開かれます。カラコルムの人口は1.5万人くらいのため、日本で言うと小さめの市とかの体育大会みたいなイメージでしょうか。会場は郊外の草原に作られ一チケットも不要です

会場まではゲストハウスから送迎してくれます(片道10,000MNT、約400円)。

開会式

開会式は11時からのため、それに合わせて10時半の送迎で会場へ。到着するとたくさんの屋台も出ており、思った以上に賑やかです。

どうすればいいのかよくわからなかったのですが、レスリング会場の周りに客席が作られているのでそこに座って待ちます。

この日の気温は24度ほど。日差しは強いですが風は涼しく暑さは感じません。

会場に人は多いのものの、観客席に来る人はあまりいません。みんな参加する側だからでしょうか。

エリア内に動物の糞なく掃除されているようです。

開会式は11時からと宿に掲示されていたタイムテーブルに書かれていたのですが始まりません。

11時半ごろになり、お坊さんが出てきて読経が始まりました。

偉い人のメッセージのあと、選手入場……ではなく警察や市民などの行進が始まりました。隣の人によると病院、孤児院とか地域に貢献している人たちらしい。警察などカッチリしているところとワイワイ和やかなところで団体の特徴が出ていていい。

警察の人たちも行進終わったらみんなで記念撮影してました。制服でちゃんと集まるのってこうした機会しかないのかもしれません。

国歌斉唱のあと楽器や歌、舞踊など出し物が結構続きます。

音楽は意外とEDM風でした。

13時過ぎくらいに開会式が終わり、そのままぬるっと相撲が始まりました。

相撲

モンゴル相撲は「ブフ」と呼ばれ、その言葉は「力強さ」を意味します。年齢や体重による区分はなくトーナメント形式で戦います。勝敗のルールは非常にシンプルで、足裏と手のひら以外が地面についた方が負けとなります。取り組みの前後には、鷲が大空を舞う姿を模した舞を踊るのが伝統です。

試合の組み合わせは、長老などの有力者が決めるようです。長老の権力すごいな。

緒戦だったせいか、壮年の力士と十代くらいの若そうな力士の組み合わせがしばらく続きます。一般的にはトーナメント形式らしいのですが、壮年の選手は勝ってもそのまま会場に残って次の選手と戦っているようでした。最初だからスクリーニングしてたのかな。

会場では同時に複数の試合が行われていました。きっちりと区画が区切られているわけではなく、他の試合の選手たちぶつからないように空気を読んで立ち回っている感じです。

観戦している地元の人からは勝敗の時などときおりワッと歓声が上がります。

競馬

モンゴルの競馬は「モリン・ウラルダーン」と呼ばれ、広大な草原を舞台に行われます。騎手を務めるのは大人ではなく、五歳から十三歳ほどの子どもたちです。軽い体重の方が馬への負担を減らし、スピードも出やすいためといわれています。

レース自体は郊外の草原で行われるため直接観戦することはできません。後日テレビで見た感じ、草原の中を並んで整然と走っていました。漫画『スティール・ボール・ラン』のようにどこでも好き勝手に走るわけではないようです。

会場にはレースを終えた馬と選手たちが戻ってきてここで表彰があるよう。

馬に乗ったまま屋台に並ぶ若者たちも多くいます。馬の後ろには人は並べないので、自然と馬用の屋台と人用の屋台みたいに分かれていくのがちょっと面白い。

弓術

弓の競技は「スル・ハルヴァ」と呼ばれます。的としては革や木で作られた小さな円筒状の「スル」を地面に並べ、それを矢で狙います。

距離は射手によって異なり、男性は七十五メートル、女性は六十五メートル、子どもは三十メートルの位置から射ちます。

距離があるため矢は山なりに飛ばします。

日本の弓道だと遠的が距離60メートル、的は直径1mほどなので、それよりちょっと遠くて的は小さい(高さがない)。

これは当てるだけでも難しそうですが、結構当たってます。たまに中央の色付きの積み木に当たると歓声が上がります。

的の近くには係員がいて、的が崩れるたびに組みなおします。普通に危なそう。

屋台でホーショール

一時間ほど各競技を観戦したあと、屋台エリアの方へ行ってホーショールを(2500MNT, 約100円)。

これはモンゴル家庭料理の中でもナーダムでよく食べられるものらしく、多くの露天というか簡易食堂が並んでいます。

揚げ餃子みたいなものなんですが思ったより大きい。タレとかは特につけず、味付けは塩と胡椒だけ。皮は日本の揚げ餃子よりは分厚く、触感と中の肉の風味を味わう感じです。

屋台はかなりの数出ているのですが、だいたいこの付近に住んでいる人たちらしい。日本の的屋だと夏まつり期間中に全国をまわって一年分稼ぐ人もいるようですけど、ナーダムだと全国ほぼ同時期だし国土も広いから難しそう。

嵐で中断

屋台から会場に戻ろうとすると、ちょうど激しい雨が降り始めました。近くの観戦用テントに避難して収まるのを待ちますが、収まるどころか強風も吹き始めました。

中に吹き込んでくるくらい横殴りの雨

テントが飛ばされそうになるくらいの強風でさすがに競技も中断。居合わせた人でテント押さえるのを手伝いつつ耐えます。結局30分ほど収まらず、次の宿からの送迎でゲストハウスへ帰りました。

耐えられなくなったテントからつぶれていきます

ウランバートルのスコールも強かったけど、カラコルムは周りに何もないせいか風がやばかった。

夕方には雨も上がっていたためいつものレストランへ。ナーダムだから混むかガラガラかどっちかかな、と思っていたけどいつもと客数あまり変わらず平常運転でした。

道端に穴を掘る犬

明日はカラコルムで一日ゆっくりし、明後日のバスでウランバートルへ帰ります。