今日はフフホトを半日観光してパオトウに向かいます。
フフホト観光は郊外の草原ツアーが有名です。その辺はモンゴルで体験したので今回はチベット仏教寺院を回ります。
大召
大召寺は、中国・内モンゴル自治区のフフホトに位置する、チベット仏教ゲルク派の寺院です。
建立は明代後期、約1579〜1580年とされ、当初は「弘慈寺(Hongci Temple)」の名を持っていました。 清代に「無量寺(Wuliang Temple)」と改称された経緯があります。
寺の中心には、高さ約2.5メートルの純銀製の釈迦牟尼仏像が安置されており、これが「銀仏寺」とも呼ばれる所以です。 壁画や龍の彫刻、法具、仏教経典、仏教用品が豊富に保存されており、明・清時代の芸術性・宗教性をよく伝えています。 また、1586年には第3代ダライ・ラマがこの寺を訪れ、銀仏への開眼式を行ったと伝わっています。 康熙帝も訪れた記録があり、歴史的にも皇室との関わりをもつ文化遺産とされています。
ホテルからは4kmほどあるためタクシーで向かいます(12.8元、約260円)。

寺の前にはアルタン・ハン(Altan Khan)の像が立っています。

アルタン・ハンは16世紀のモンゴルの王で、チベット仏教に改宗しゲルク派を国教として保護したことでモンゴルにチベット仏教の教義や僧院制度が定着していきます。大召はその最初期のチベット仏教寺院です。
カラコルムで見たエルデネ・ゾーもアルタンの影響を受けたアバダイ・ハンによって数年後の1586年に建立されています。
アルタン・ハンはゲルク派の高層ソナム・ギャツォにダライ・ラマの称号を授けます。その後、17世紀にはモンゴルの支援を受けてチベット全土が統一され、ダライ・ラマを首位とするチベット統治体制が固まったんだとか。
券売所で入場料35元(約700円)を支払い敷地内へ。広々とした境内と朱色の仏殿群が目の前に広がります。

門の中には東西南北の持国天がいます。門の先には前殿、本殿がありこの辺の建築レイアウトは中国っぽい。


建物の内部はチベット仏教風です。仏像には漢字とモンゴル文字で名札が付けられているのでありがたい(撮影可かわからなかったので写真はありません)。
屋根の上のヴァジュラ(金剛杵)やタルチョ(五色の布)、入り口のマニ車とかはチベット仏教っぽい。



千手千眼観音(観音菩薩の一形態)。

寺の前は観光地化されていますが割といい雰囲気です。

席力召
席力召は、明代・万暦13年(1585年)に建立されたチベット仏教ゲルグ派の寺院です。
「席力图」とは「法座」を意味し、ここはダライ・ラマ三世および四世の法座(法を説く場)とされました。 清の康煕帝は寺に「延寿寺」の名や経典を下賜したと伝わり、境内には康煕帝の霊碑も保存されています。
建築は漢族・モンゴル族・チベット仏教文化が交錯する様式を持ち、色彩豊かな仏塔や内部の仏像・装飾は、観光客や信者の目を引きます。 周辺には他にも大召寺、五塔寺など歴史的寺院が点在しており、これらとあわせてフフホト古い信仰文化の散策ルートを形成しています。
大召から通りを挟んで反対側にあるので歩いてすぐです。入場料は25元(約500円)。

建築年代がほぼ同じこともあり、大召と似たような感じですが観光客は少なめ。
宇宙の中心スメールを描いた曼荼羅。

この辺の建物はよりチベット風。


ユニクロで買い物
観光を終え、買い物をするためにタクシーで近くのショッピングモール「万象城」内あるユニクロへ。同じモールには無印良品も入っており日本のものを揃えるには便利です。

ユニクロで速乾性Tシャツとかを購入。今後、夏の中国を旅するうえで普通のTシャツではちょっと辛いので、着心地のいいものに揃えました。値段はやはり日本よりも一、二割高い気がします。
ショッピングモールに直結した地下鉄の大学西街駅からフフホト駅まで3駅のため地下鉄で帰ります。

いつものようにAlipayで地下鉄カードを作ろうとしますが、発行に中国国内の身分証番号が必要で作れません。仕方がないので券売機でチケットを買います。
券売機では目的の駅を選択し、支払いはAlipayのQRコードで可能です。カード(街によってはコイン)が出てくるので、改札入場時にタッチ、出場時には投入口に入れるだけ。

大学西街駅から呼和浩特駅まで2元(約40円)。ホテルで荷物を回収し、すぐ近くの高速鉄道駅へ向かいます。

高速鉄道でパオトウへ
予約したのは12:12発のG2481、一等車で約2,000円です。
中国に来て最初のころは二等車のほうが旅情があるかなと思ったのですが、高速鉄道は新幹線みたいなものなので別に変わりません。なら快適なほうがいいので今後は一等に乗ることにしました。

車両の最前列には公安の人が乗っており治安はバッチリです。一部の列車だか車両にはこうした公安専用席が設けられています。一等車に乗って車両警備とかうらやましい仕事です。
もし日本に同じようなシステムがあったら、警察は二等に乗せろとか、そもそも座らせるなとかクレームする人いそう。

列車は一時間ほどでパオトウ駅に到着。

フフホトと比べると高い建物は少ないものの、市街は広く広がっており大きな街です。まあ高鉄が通っているようなところは中国基準ではだいたい都会です。

ホテルまでは10kmほどあるためタクシーで向かいます。通常、駅のタクシー乗り場には係員がいて誘導してくれるのですが、ここは誰もおらずカオスでした。

タクシー乗り場は二車線で、車線に対応した乗車口が二つあります。本来、乗客は自分が並んでいる乗車口に対応した車線のタクシーに乗るルールだと思うのですが、道路の上流側(タクシーが来る側)の乗客たちが車線とか乗車エリアを無視してどんどん上流側にあるタクシーに走っていきます。当然、下流側の人も乗れなくなるので皆でワチャワチャしだしました。
中国人も場所によってはちゃんと列を作って待てるのですが……民度が低い人が数人いるとそれが全員に伝播してしまうようです。
ホテルまでタクシーに20分ほど乗って24.2元(約480円)。
予約したのは「格林意家ホテル」で一泊約2,400円。フフホトからさらに半額くらいになりました。まあ駅から離れてますし、タクシー代考えるとそんなに安くもありません(路線バスでも行けますが一時間くらいかかる)。
チェックイン時に「乗ってきた電車のeチケット見せろ」というのは初めて言われました。

部屋はリノベされておらずちょっと古びた感じです。

夕食は近くの麺屋で、西红市鸡蛋油泼というトマトと卵料理が乗った謎の麺(14元、約280円)。
辛いのOKと伝えた僕が悪いのですが、OKの基準がだいぶ違うな……。美味しいのですが量が多く食べ切るのが大変でした。

明日はオルドスを日帰り観光します。