樹齢数千年の巨木が息づく阿里山へ(2025/8/24-25)

台湾

ニイハオ!今日から日月潭を離れて阿里山を目指します。

台湾の嘉義県に位置する阿里山国家森林遊楽区は、標高2,000メートルを超える山岳地帯に広がる自然公園です。ここは「阿里山五奇」と呼ばれる、日の出、夕霞、雲海、森林鉄道、そして巨木群の5つの景観で知られています。特に阿里山森林鉄道は、かつて日本統治時代に木材運搬用として敷設された登山鉄道であり、急勾配を登るためのスイッチバック方式やループ線などの技術が現在も残されています。

園内には樹齢1,000年を超えるベニヒノキなどの巨木が立ち並ぶ遊歩道が整備されており、植生豊かな森林浴を楽しむことができます。また、台湾最高峰である玉山を望む景勝地としても知られ、春にはソメイヨシノやチシマザクラなどの桜が開花する名所です。年間平均気温は低く、夏季であっても冷涼な避暑地として機能しています。

日月潭から阿里山への移動方法

日月潭と阿里山はいずれも台湾を代表する景勝地。ですが、その間を公共交通機関で移動する人はそれほど多くないようです。

二か所を直接結ぶのは、員林客運という会社のバス 6739路が一日一本(休日は二本)あるだけ。

予約はいちおうオンラインでもできますが……その方法は公式サイトにある予約用のWordファイルに必要情報を入力して、メールで送信するという謎の方式です。……Wordにする意味とは?メールで必要情報送るだけじゃダメなんでしょうか。

メールを送ると担当者から返信があり、座席番号などがテキストで届きます。

8/24 路線バス6739路で阿里山へ

今日は路線バスで日月潭から阿里山へ移動します。

朝、湖の周りを散歩してみると朝霧が出ていていい雰囲気です。こういう時にサイクリングロード行くのがよさそう。

阿里山行きバスへ乗車

バスの発車予定時刻は朝7時50分。

バスターミナルで待っていると阿里山行きのバスが姿を現しました。日月潭に来た時に乗ったものよりも二回りくらい小さく、混雑時には満席になることもあるよう。

事前にメール予約していれば指定席になるので確実に乗れます。僕が乗ったときは、乗客は10人ほどで乗車率50%くらい、そのさらに半分くらいの人が予約してそうな感じでした。

車体の後部にトランクがあり、大きい荷物はそこに収納できます。

バスは定刻通りに出発。しばらく陳有蘭渓という川に沿って谷間を進み、9時過ぎに本格的な山道へ。

ここからは葛折りの連続です。 右へ左へとカーブを切るたびに、グングンと標高が上がっていくのが分かります。視界は木々に遮られがちですが、その隙間から玉山山脈や中央山脈の山々が見えます。

山道を登り終えたあたりで休憩がありました。この辺は塔塔加と呼ばれるエリアで、台湾最高峰である玉山(3,952m)への登山口にもなっているよう。

駐車場から数十メートルほど歩いたところにちょっとした展望台がありました。この景色は結構すごい。

阿里山に到着

三時間ちょっとバスに揺られ、11時過ぎに阿里山のビジターセンター前に到着。

ビジターセンターのすぐ近くに入場ゲートがあります。チケットは入場券+園内のバス片道のセットを旅行ポータルサイトで購入して約1,660円。

入場ゲートを通ってしばらく歩くと宿泊施設が集まったエリアがあります。予約ポータルサイトのレビューをみると、この辺のホテルはあまり評判がよくないよう。Google Mapで比較的マシっぽいところを選んで、ホテル自体のWebサイトから予約しました。

予約したのは「青山別館」で一泊3,000台湾ドル(約1.5万円)。山の上だけにクオリティに対してはちょっと高めです。受付では簡単な日本語が通じました。

阿里山を散歩

公園内は登山鉄道やバスで移動できますが、どちらも一時間に一本程度と運行頻度は多くありません。

今日は入口から歩ける範囲で周辺を散歩することにします。

標高は2,000メートルを超えており、今の気温は18度くらい。立ち止まるとちょっと肌寒いくらいです。

ところどころに展望スペースがありますが霧が出ていて見晴らしはよくありません。

しばらく散策してホテルに戻ります。

入口にもどったあたりで雨が降り始めたのでタイミングが良かった。その後、夕方には雷雨になってました。

8/25 阿里山を散策

今日は阿里山を散策します。

阿里山の食事

宿泊したホテルにはいちおう朝食が付いています。ホテルの建物内ではなく、ビジターセンター近くの食堂街の一店舗で使える食券がもらえます。

内容的にはしょぼい中華ビュッフェといった感じ。料金は宿泊費に含まれていますが、普通に食堂で払うと朝食で120元(約600円)とそこそこの値段です。まあ山の上なので仕方ないか……。

この辺はグループ向けの食堂街ですが、ちょっと外れたところにもう少し安めの食堂が集まった建物があります (一食100元くらい)。

観光バスで祝山へ

食後、シャトルバスに乗って阿里山エリアで最も高い場所にある祝山を目指します。

祝山は日の出スポットとしても有名。ですが、祝山へ行く移動手段は早朝に登山鉄道が一本、日中に観光バスが2時間おき4本だけと多くはありません。

9時発の観光バスに合わせてバス停へ。すでに多くの観光客が並んでおり、バスは満員です。祝山へはそんな遠くもないのでもうちょっと本数増やしてほしい。

バスは15分ほどで祝山に到着しました。山道を少し登ると広々とした小笠原山展望台へ出ます。

バス停車場の方へ戻り、祝山観日展望台へ。昨日通ってきた谷を挟んで玉山山脈がよく見えます。

日の出スポットということですでにピークを過ぎているのか、他には誰もおらず一人占めです。さっき同じバスで来た人たちどこ行ったんだろ。

ここから山道を降りつつ公園内を観光していくことにします。しばらくはバスの車道を歩く感じです。

道の脇にちらほら撮り鉄っぽい人がいるなーと思っていたら、山の上から蒸気機関車が走ってきました。普段はディーゼルらしいので何か特別なイベントの時に走るのでしょうか。

森林鉄道は公園入口から祝山までの路線のほか、山を降って嘉儀のほうまで行く路線が人気のよう。この路線はチケット予約できなくて諦めたんですが、こうして見られてラッキーです。

巨木歩道

しばらく歩くと、阿里山の巨木の中を通る遊歩道に出ます。

ところどころに苔のはった巨大な木の洞とか切り株がありいい雰囲気です。

巨木の中でも古いものは樹齢2,000年を超えているそう。見上げるような高さはもちろんですが、何よりその幹の太さと、表面を覆う厚い苔の美しさに目を奪われます。長い年月風雪に耐えてきた樹皮は荒々しく、深い歴史を感じられます。

巨木エリアを通り抜けて、2時間ほどで神木駅というところに着きました。

ここから公園入口のまでは阿里山森林鉄道の支線が通っています。近くのチケットカウンターで切符を購入(100台湾ドル、約500円)。

乗車時間は10分弱で、あっという間に阿里山駅に戻ってきました。

路線バスで嘉儀へ

ホテルで荷物をピックアップし、往路でも使ったバスターミナルへ。

これから12時40分発のバスで山を下りて嘉儀へ向かいます。

僕が予約したのはこの次のバスだったため、事前にチケットを変更してもらおうと思っていたのですが、建物内に有人のカウンターが見当たりません。しばらく待って、到着したバスの運転手と話してチケットを変更。

そのままバスに乗り、2時間半ほどで嘉義駅前に到着しました。

駅前の通りには安宿がずらりと並んでいます。駅周辺を見渡しても高層ビルはなく、どこか懐かしい下町のような雰囲気です。

今回の宿は「嘉冠ホテル」で一泊約4,700円。駅前の安宿はもっと安かったので嘉儀の中では中級くらいの扱いのよう。

台湾来てからだといまのところここが最安値です。これまでの街は宿が結構高かったので、ちょっと落ち着ける価格になりました。

明日はフェリーで膨湖へ向かいます。