膨湖諸島をバイクで一周(2025/8/27-28)

台湾

ニイハオ! 今回は台湾の離島、澎湖諸島の主要三島をバイクで一周します。

澎湖諸島は大小さまざまな島から成りますが、観光の中心となる本島である「澎湖島」、中継地点となる「白沙島」、そして西の果てにある「西嶼島」の主要3島は、それぞれ橋で陸続きになっています。

そのため、レンタルバイクを利用すれば主要な島々を一周することができます。特に、白沙島と西嶼島を結ぶ全長約2.5kmの「澎湖跨海大橋」は、青い海の上を一直線に駆け抜ける絶景のドライブルートとして人気です。

膨湖島でのバイクレンタル事情

近年、膨湖では外国人旅行者の運転に対する警察の取り締まりが厳しいらしく、外国人に貸し出してくれる店は減っているよう。僕も昨日2軒ほど回って断られてしまいました。そのため、ホテルに相談して外国人にも貸してくれるレンタルショップを紹介してもらいました。

借りたのはこのへんにある「日展祖車」です。

料金は一日350台湾ドル、今回は二日間借りたため700台湾ドル(約3,400円)です。先日訪れた馬祖列島では一日500台湾ドルほどだったので、それに比べるとだいぶ安い。もっとも、本島だと激安なら150台湾ドルくらいで借りられるようなので、これでも十分観光地価格です。

レンタル期間中は店にパスポートを預ける必要があり、馬祖と比べるとかっちりしていそうです。また、ガソリンは最初ほぼ空で「自分で使う分だけ入れる」スタイルです。

8/27 白沙島を経て西嶼島へ

今日は北側の白沙島と西側の西嶼島を回ります。気温は30度くらいですが、日差しが突き刺さるようで体感温度はもっと高く感じます。

バイクをレンタル

朝9時ごろ、レンタルバイク店の人にピックアップしてもらってバイク店へ。

今回借りたのは、ヤマハの「Axis ZII」という車種。排気量は124ccで台湾向けにローカライズした車種のよう。

店の人に「西端まで行くならガソリン満タンにした方がいいよ」と言われたので近くのガソリンスタンドで給油します。満タンで110台湾ドル(約540円)。

澎湖の道は、馬祖とは違って幹線道路が片側二車線で広々としています。 街中を除けばそれほど交通量もなく、地形もほぼフラットなので非常に走りやすい。

信号付近では、場所によりますが車線前側や「二段階左折」のためにバイク専用の待ちスペースもしっかり確保されています。

郊外に出ると交通量もガクッと減り、海風を受けながら走るのはとても気持ちがいい。ただし、 至る所に速度取り締まり機(オービス)が設置されているためスピードには注意が必要です。

島を一周するようなツーリングルートには、歩道にわかりやすいペイントが施されているので、道に迷う心配も少なそうです。

天堂路

最初にやってきたのは天道路というスポット。これは白砂のビーチから海に向かってS字にうねりながら伸びる堤防です。かつては王爺という神様の船を送るための埠頭として使われていた場所だそうで、役目を終えた今もその美しい曲線美を残しています。

駐車場からは暑い中を結構歩きます。

海岸は一面 珊瑚の骨格で埋め尽くされています。この辺では「硓𥑮石」と呼ばれるそう。

澎湖跨海大橋

引き続き幹線道路を走り、白沙島と西嶼島(漁翁島)を結ぶ「澎湖跨海大橋」を渡ります。 全長約2.5kmにも及ぶ長い橋で、両サイドに海を感じながらのドライブは爽快です。

鯨魚洞

西嶼島の北にある「鯨魚洞」へ。ここは小門島という小島になっていて、西嶼島と橋でつながっています。

残念ながら現在は通行止めになっており、近くまで行くことはできませんでした。こういう鯨の形と言われるものの中ではかなり鯨っぽい気がします。

これは玄武岩が波で浸食されてできた海食洞で、周辺は地質公園になっています。

九孔養殖場

干潮時に姿を現す賽の目の遺構で、映えスポットとして人気があります。もとはアワビの養殖場だったそう。今回は満潮の時間帯だったため、外枠の一部が海上に顔を出している程度でした。目を凝らすと海中に格子状の石積みが見えます。

漁翁島燈塔(西嶼燈塔)

観光スポットに立ち寄りつつ、橋でつながっている範囲での西端にあたる灯台へ向かいます。この辺の景色はけっこういい。

灯台手前にある外垵村。Google Mapに従って走っていたら、この集落の中のバイク一台しか通れないようなルートを案内されて大変でした。集落には入らず、そのまま膨6号線で灯台まで行けます。

西端には軍事基地があり、その奥に灯台があります。灯台へは基地の間の道を通って向かいます。基地はもちろん撮影禁止です。

灯台は修理中。

また、西嶼島の南側には歴史的な軍事遺産も点在しています。

西嶼西臺(西台古堡)

19世紀後半、清朝時代に台湾防衛のために築かれた堅牢な要塞跡で、今では国定古跡に指定されています。

入場料は平日25台湾ドル(休日は30)。 薄暗いトンネルの先にアームストロング砲のレプリカが置かれています。

西嶼東臺

西台古堡と内海をはさんで対になるような形の遺跡です。先ほどの「西台」と、東側にあるこの「東台」で、澎湖湾に入ってくる敵船を十字砲火するために作られたそう。

こっちの方が雰囲気があって好きだな。

池東大菓葉玄武岩

少し走って別のスポットへ。海岸からは出発点である馬公市の街並みが見えます(左側から右側の街までぐるっと島と橋がつながっている)。

池東大菓葉玄武岩。もともとこの形で露出していたわけではなく、日本統治時代に交通のための港を掘削していた際に偶然発見されたものだそうです。

澎湖諸島全体が玄武岩でできているらしく、ここ以外にも柱状節理をよく見かけます。

二崁村

集落は壁が珊瑚石(さっき海岸でみた硓𥑮石)でできていてちょっとおしゃれです。映えスポットとしても人気があるようで、他の集落と比べると歩いている観光客もたくさんいました。

村内にある刺身店の「魚好」へ。メニューは刺身盛り合わせ(550台湾ドル、約2,700円)とソフトドリンクだけの刺身専門店といった佇まいです。

14時前に行ったらほとんど売り切れていて、ちょうど最後の一つでした。運がよかった。

店員さんが魚の種類を一部日本語で説明してくれました。途中でわからなくなって諦めてましたが……魚の名前を外国語で言えるのは普通にすごい。

どれも肉厚、新鮮でおいしい。やっぱり魚は刺身が一番だな。

馬公へ帰る

16時半ごろに馬公の街中へ帰ってきました。街中は交通量も多く、みんな好き勝手に割り込んでくるので運転するのはちょっと神経を使います。西まで往復してもガソリンはまだ半分くらい残っていました。

夕食は「葵寿司」という日本料理屋へ。 盛り合わせや寿司とか頼んで600台湾ドル(約3,000円)。馬公だとこれくらいの金額で大満足の海鮮が食べられる感じです。

8/28

今日は澎湖島内を回ります。

奎壁山摩西分海

旧約聖書の『出エジプト記』でモーセが海を割った逸話になぞらえて名付けられたスポットです。

ここの駐車場は有料で、料金は20台湾ドル(約100円)。これまでのところは全部駐車無料だったため、台湾で有料駐車場を使うのはこれが初めてです。入庫時に車体ナンバーが認識され、出る前に建物内の精算機で支払うシステムでした。

駐車場から少し歩いて海岸へ。

干潮時になると、それまで海だった場所に道が現れ、向かいにある小島「赤嶼」まで歩いて渡ることができるようになります。

道の中に目立つ黒い岩の筋はかつての火山活動でマグマが吹き出した跡だそう。

しばらく時間を空けて満潮の時間に戻ってみたら、完全に海に没していました。満ち引きの途中が見たかったんですが失敗したな。

蛇頭山

しばらく海沿いの気持ちいい道を通り、島の南西に位置する半島エリア(風櫃半島)へ。

この島にも現行の基地が多く、装甲車が列をなして走っています。巨大な車体とキャタピラで迫力があるので追い抜くときはちょっと緊張します。巻き込まれたら即死だな。

しばらく走って南西の半島の先端にある「蛇頭山」へ。

ここも海をはさんで対岸に馬公の街が見えます。昨日の西嶼島よりは街への距離が近いので、街の遠景を見たいならこっちのほうがいいな。

膨湖は台湾のハワイとも言われるリゾート地ということで、ちょうどどこかのクルーズ船が入港するところでした。

ここはかつてオランダ軍が城を築いた場所であり、歴史的な古戦場でもあります。

また、遠洋航海実習中にこの付近で沈没した日本の軍艦「松島」の慰霊碑もあります。

風櫃洞

続いて、打ち寄せる波が岩の隙間から吹き上がることで有名な「風櫃洞」へ。

遠くには膨湖諸島の離島も見えていい眺めです。

レンタルバイク返却

その後、一時間ほどドライブして馬公へ帰りました。

昼食は先日も行った食堂で生ガキと小管麺線というイカ入りの麺(計350台湾ドル、約1,700円)。

牡蠣は先日 食べた茹で用のものより大きく感じます。特に味付けされてないと思うんですが、牡蠣自体の濃厚な塩味とトロトロの肉感で何個でもいけそう。

小管は膨湖周辺で取れる透明なイカで、ちょうど6~9月くらいがシーズンだそう。麺は老酒麺線ほどじゃないけど細く、イカとスープの塩味がいい感じです。

昼食後、ホテルで荷物を回収してレンタルバイク店へ。貸出時の様子から返却手続きもかっちりしていて時間かかるかなと思いきや、車体の確認などもなくすぐにパスポートを返してもらえました。

港はすぐ近くのため、そのまま歩いて港へ。

スピードボートで嘉義へ

チケットを受け取って保安検査へ。 まだ乗船開始まで時間があったので、埠頭前の待合スペースでしばらく待ちます。

行きの「凱旋8号」が冷房の強さと揺れで地獄だったので、同じ船だったら嫌だなと怯えていたのですが、今回は「太吉之星三号」という別の船でした。助かった……。

フェリーは17時過ぎに布袋港に到着。往路とは違って快適な船旅でした。往路と同じくツーリストバスで嘉義市内へ戻ってきました。

先日泊まった安ホテルにチェックインし、荷物を置いて夕食へ。

夕食は「究Sho石燒拉麵」という石焼ラーメン。

店内はほぼ日本語ばかりで日本アピールが凄い。もともと台南発の店らしいのですが、日本で修業してたのかな。

嘉義滞在中はほかにもトンカツとか日式カレーとか、なんか日本食ばっかり食べていました。適当にレビュー良さそうなところを探していると日本食ばっかりになってしまうんだ。嘉義は台湾でも有数の「B級グルメの聖地」として有名らしく、そんなところで生き残っている日本料理店なら外れも少なそうです。

明日は故宮博物院南部院区を見学して、高雄に向かいます。