泰安から孔子ゆかりの地 曲阜を日帰り観光 (2025/6/10)

中国

ニイハオ! 今朝は泰山で日の出を見た後に下山して、泰安駅へ移動しました。ここから高速鉄道で曲阜を日帰り観光します。

曲阜へ

中国山東省にある曲阜は、孔子の故郷として知られ、儒教発祥の地として世界的に重要な文化遺産を抱えています。

なかでも「三孔」と呼ばれる孔廟、孔府、孔林は、孔子とその子孫を祀り、儒家の精神を今に伝える代表的な名所です。孔廟は中国最大級の儒教聖地で、歴代皇帝による修復が重ねられた壮麗な建築群が並びます。孔府は孔子の末裔たちが暮らした邸宅で、官僚としての生活や儒家の伝統がしのばれます。孔林は孔子をはじめとする一族の墓所で、静かな森に石碑や墓標が点在し、厳かな空気が漂います。三孔は世界遺産にも登録されており、儒教文化を肌で感じる貴重な旅先です。

曲阜は日本とも意外なつながりがあり、岐阜の「阜」は織田信長が孔子の聖地にあやかる意味で曲阜からとられたそうです。

泰山からバスで泰安駅まで移動し、11:30ごろ駅に到着しました。

パスポートチェックをして駅構内に入場。列車は12:40発のため、しばらく駅で待ちます。

泰安駅に到着した時は出口から出場することしかできないので、駅の待合スペースに入るのはこれが初めてです。出発側のほうは店舗も充実しており、ケンタッキーやスターバックスがありました。

時間になったので再度パスポートチェックをしてプラットフォーム内に入ります。列車が到着すると、乗客が降りてきて駅のホームでタバコを吸い始めます。ホーム内に決まった喫煙スペースがあるわけではなく(あるのかもしれないが)その辺で吸って捨てる自由な感じです。

高速鉄道で泰安から曲阜へは一駅20分ほどで、運賃は約800円。高速鉄道は三孔のある街の中心ではなく、少し離れた曲阜東駅に停車します。

調べるとK01のバスで孔廟のすぐ近くまで行けるようです。運賃は1元。バスは西口から北へ少し歩いたバスターミナル内から出発します。

路線バスカードは市ごとに異なるため、Alipayから曲阜用のバスカードを発行。ここは10元単位での事前チャージ式のようなので10元チャージしました。時間的に、帰りはバスを待てるか微妙なので無駄になりそうですがまあいいでしょう。

カードをかざしてバスに乗ったのですが、どうもうまく支払いができてないよう。運転手によるとAlipayで連携されたバスカードが間違っており「WeChatで別途バスカードを作れ」みたいなことを言われました。WeChatからバス内のQRを読み込んで処理を始めたのですが、SMS認証がうまくいきません。日本国内の電話番号だとメッセージでなく着信になってしまいます。これは詰んだか……?

最悪「終点まで行ってATMで現金を引き出すか」と覚悟を決めたのですが、見かねた中国人の方が代わりに払ってくれました。すみません……。たった1元のことで冷や汗をかきました。中国では電子決済のみで現金おろさず行けるか?と勝手に考えていたのですが、ちょっとは現金も持っておかないとダメでした。

親切な中国人の方は北京出身で、ここには卓球イベントの引率コーチみたいな仕事で来たそう。スケジュールの隙間を縫って三孔へ行くということだったので、目的地に着くまでしばらく会話します。

バスに30分ほど乗り、「孔廟南門」停留所で降りてチケット販売所へ。三孔は全部まとめた割引チケットがあり、通常140元(約2,800円)、学生70元(約1,400円)でした。勝手に1,000円くらいじゃないかと思っていたので驚きました。泰山よりも高いのか。

親切な中国人の方とは見たいスポットが違ったため改めてお礼を言って別行動することに。僕はまず孔廟へ向かいます。

この周辺、ガイドやタクシーなど客引きが結構声をかけてきます。体に触れてきたりはしませんが、断ってもしばらく付いてくる感じです。英語ガイドがいればお願いしてもいいかなと思ったのですが、声かけてくれた人の中にはいませんでした。自分で探すほど時間に余裕があるわけでもないので、ここは一人で回ることにします。

孔廟

孔廟は先日行った泰安の代廟と北京の紫禁城とともに三大宮殿建築の一つです。もともとは小さな廟だったものが、明や清の時代に増築されて今の形になったらしい。

大成門。この門は昔は皇帝のみが通ることを許されていたとか。柱に触れると何かのご利益があるらしく、みんな触ってました。

大政殿。ここが孔子を祭る本殿らしい。屋根は皇帝にのみ許された重檐廡殿頂といわれる建築方式で、なんかすごいもの。

孔府

一通り回って次は孔子の生家である孔府へ。地図だと敷地がつながっていそうですが、出口と入口は離れているのでちょっと歩きます。

孔府も何度も増築されたためかなり広いです。

魯壁。秦の始皇帝が焚書坑儒を行った際、孔子の九代目の子孫である孔鮒が書物を隠した建物の壁らしい。立て看板の解説によると、現存する中国最古の史書である「尚書」もここで守られた書籍の中にあったんだとか。

もっとも、Wikipedia によると孔子宅の尚書は別の戦乱で失われていて、現存するものはまた別ルートで保管されてきたものらしい。

すぐ近くには孔子がかつて使っていたという井戸も残っています。

孔林

最後の目的地は孔子の墓がある孔林。孔廟や孔府からは2kmほど距離があります。

孔府を出たところで、孔林へ向かう馬車や三輪バイクが客待ちしていました。

客引きのおばちゃんの根気に負けて、少し割高ですが三輪バイクで向かうことに。この商売で一日に客を何組捕まえられるのか、と考えたら多少余裕ある外国人は乗らないといけない気がしたので。孔林までは言い値10元(200円)だったのですが、気持ち程度のチップで12元払いました。

孔林は孔家一族の墓となっており、同一氏族のものとしては世界で最も長く続き、面積も大きいものだそう。正直この辺はもう疲れてきていたので、まっすぐに敷地内の孔子の墓に向かいます

孔子墓。篆書体の墓石が格好いい。墓石は当時のものではなく、明の時代に建てられたものだそう。焚書坑儒の時にこの辺も壊されなかったのかな、と気になったのですが、何らかの破壊があった直接的な史料はないらしい。

孔林を出ると、さっきのおばちゃんが僕の帰りをニッコニコで待ってました。チップ渡して気持ちよく別れたつもりだったのに、もう僕のことは金づるとしか見てないな……。

さすがに三輪バイクで曲阜東駅まではいけないのでアプリでタクシーを呼びます。その間もおばちゃんはずっと何かしゃべってます。というか中国語ほぼ通じないってわかっているのにしゃべり続ける気力はすごいな。

タクシーを捕まえて20分ほどで曲阜東駅に到着しました(36元、約720円)。曲阜東駅も中央は吹き抜け、左右の2階スペースにケンタッキーとスタバがあるという泰安駅と同じようなレイアウトです。

泰安へ

来た時と同じように高速鉄道で泰安へ戻り、タクシーで一昨日泊ったホテルに帰ってきました。また窓際でお茶でも飲むか、と思ったら犬に変わってました。

夕食は近くの食堂「喜糯拌饭」へ。店内はローカルの人でほぼ満席でした。

拌饭は中国版のビビンバみたいな感じです。店員さんに辛いのOKか聞かれて辛くしたのですが、そこまででもありませんでした。容器は石焼き風でかなり熱いもののコゲは全くできず、コゲを楽しむ感じではないようです。

今日は泰山下山と曲阜でかなり歩いたため疲れました。時間的にも、曲阜は一日かけてゆっくり回った方が楽しめると思います。

明日はローカルバスで安陽へ移動します。