ゴビ砂漠個人ツアー③ ヒゲワシの谷 ヨリーン・アム(2025/7/16)

モンゴル

今日は二泊三日のツアー最終日、ヨリーン・アムを経てダランザドガドへ戻ります。

ヨリーン・アム(Yol Valley、ヨル渓谷)は、モンゴル南部ゴビ砂漠のグルヴァンサイハン山脈に位置する自然景勝地で、乾いた砂漠の中に突如として現れる深い峡谷です。

標高が高く、夏でも谷底には氷河の名残が残ることがあり、真夏に氷を見ることができる珍しい場所として知られています。「ヨル」とはモンゴル語でヒゲワシを意味し、その名の通り岩壁の間を舞うヒゲワシを観察できる野鳥の宝庫でもあります。

谷は両側を切り立った岩壁に挟まれ、わずかに流れる小川や高山植物が生育し、砂漠のイメージとは異なる緑豊かな風景を楽しめます。ハイキングコースが整備されており、観光客は数時間かけて谷を歩き、野生動物や花々に触れることができます。砂漠と氷河、岩壁と草原が織りなす独特の対比は、ゴビ砂漠観光の中でも特に印象的な体験を与えてくれるでしょう。

ヨリーン・アムへ

朝8時にユルトを出発し、砂丘に並走するような形で南東へ向かいます。昨日とは違ってほとんど対向車もなく静かなドライブです。

途中でたくさんのヤギの群れが道をふさいでいます。家畜の群れは珍しくありませんが、これはちょっと見たことないくらい大量にいます。群れが道を渡り切るまで数分かかりました。

三時間ほど走って、11時過ぎにバヤンダライへ到着。昨日以来の集落です。ここは出発地点のダランザドガドとも舗装道路でつながっており、車なら一時間ちょっと。もうすぐツアーも終わりです。

昼食のために入った食堂には他にも数組のツアー客がいました。僕たちの車だけ砂埃をかぶって汚い。他はこれから砂漠へ向かうのでしょう。

食後は30分ほどダランザドガドへ向かって走り、途中で未舗装路へそれてヨリーン・アムへ。この道はツアー中でも一番の悪路です。

ヨリーン・アムの標高は2,200メートルほど。悪路のせいで登ってきたことに気づきませんでしたが結構高い。高度の割には荒野と比べて植生があります。

ヨリーン・アム トレッキング

入場ゲートを通り、しばらく走った駐車場で車を降ります。ここからは片道約2kmのトレッキングです。

ここでも馬のレンタルをしています。モンゴル人は半分くらいの人が借りてたんじゃないでしょうか。

深い谷の間を小川に沿って道が続いています。傾斜の小さいなだらかな下り坂で歩きやすい。

ヨリーン・アムの名前の由来でもあるヒゲワシがいないか探しながら歩きましたが、それらしい姿は見つけられませんでした。おそらく午前中のほうが活動が活発なはずなので時間が良くなかったのかもしれません。

足元にはたまにナキウサギが走っていきます。近づこうとすると岩の下へ逃げ込んでこちらの様子をうかがってきます。耳が丸っこくてかわいい。

途中何度か小川を左右にまたぎつつ下流へと進みます。

一部は橋が架かっていますが、川の中の飛び石を渡らないといけないところも。

しばらく歩くと何頭もの馬が道端に停められています。ここから先は馬では行けないよう。

谷の中に少し開けた場所があり、山の間に草が茂っています。この風景は観光ポスターにもなっていてここがひとまずのゴールのよう。

この先にも谷は続いており、川の中に入りながら進むルートに。谷も狭くなり、たぶんこの辺までが普通のトレッキングで行ける範囲です。準備があればこの先も10kmくらいは歩けるみたいで、夏でも谷底に雪が残っていることもあるそう。

折り返して駐車場へ戻ります。あとはダランザドガドまで帰るだけです。

ヨリーン・アムはダランザドガドよりだいぶ標高が高いため、街を見下ろしながら坂を下っていく感じになります。どこか景色がいい場所で写真を撮りたいと思いつつ、うとうとして寝てしまいました。

30分ほどでダランザドガドに到着してツアー終了です。三日間のゴビの旅もこれで一区切り。

ツアー前は三日間もあると飽きるかなと思ったのですが、個人ツアーで気を遣わなくていいのとドライブしながら眺める景色が美しいのとで十分楽しめました。タバン・ボグドもそうですがモンゴル旅行は観光スポット自体よりもドライブがメインコンテンツみたいなところがあります。

明日はまた10時間かけてウランバートルへ帰ります。