オルギーからウランバートルへ
オルギーとウランバートルを陸路で移動する場合、一番簡単なのは長距離バスです。
僕はもともとはミニバスとかで途中の街を経由しながら移動できないかと思っていたのですが、話を聞くと道はすべて舗装路で途中の町も州都などそこそこ大きい街ばかり。
タバン・ボグドの後で移動に数日かけてもそこまで楽しくはないかな……と考え直し、長距離バスで一気に移動することにしました。
バスのチケットはtapaで予約しました。運賃は130,000トゥグルグ(約5400円)。27時間1700キロ弱の移動であることを考えると、物価に対してはだいぶ安く感じます。
ちなみにtapa上だと移動時間が25時間弱になっていますが、この路線に限らず全体に短く表示されているので信じてはダメです。予定時刻の意味とは……?
長距離バスに乗車
ゲストハウスで朝食。わりとしっかりした食事が出ました。バスは13時発のため午前中はゲストハウスでゆっくり過ごします。

オーナーの息子さんも同じバスでウランバートルへ行くため、バスターミナルまでオーナーに車で送っていただけることに。息子さんは英語は話せませんが、何かあったときに聞ける人がいるのは心強いです。

5分ほどでバスターミナルへ到着。駐車場にはバスが2台停まっており、どちらもウランバートル行きのよう。係員が乗客名簿を持っているので自分のバスを確認します。息子さんとは別のバスでした。頼みの綱がいきなり切れました。
(この時は知りませんでしたが、tapaで予約した場合はチケットにバスのナンバーが表示されるため人に聞かなくても自分で探せます)


ターミナルに小さい売店があったため飲み物とお菓子を補給。
同じバスに乗ったスペイン人によると27時間の移動中 食事休憩は一度しかなかったらしいので買い出しは必須です。
ここで買ったチョコウェハースが美味しすぎて、その後も長距離バスに乗るたびに買っていました。

バスの中はこんな感じです。
スペースに余裕はないものの、普通に座れはするのでまあ耐えられるかという感じ。僕は多少でも前方に余裕があると思い最前列を予約しました。隣の席も身体が小さいおじいさんなので大丈夫そう。

このバス、5年くらい前は小さいマイクロバスで時間も40時間以上かかったそう。ここ数年でオルギーとホブドの間の道路が整備され、大きいバスに変わったようだ。過去に同じ路線に乗った人と比べるとこれでもだいぶマシなんじゃないかと。
一日目
バスは15分ほど遅れて発車しました。乗車率はほぼ100%で、外国人はたぶん僕だけです。
バスは5分ほど走って町外れの商店の前に停まりました。ここでしばらく買い出し時間があります。品ぞろえはバスターミナル内の商店とあまり変わらない気がします。
隣の席のおじいさんは足が不自由なので、バスと地面の段差の乗り降りを手伝います。こうして徳を積んでおけばバスに置いてかれることはないでしょう。
街の外側のゲートをくぐると一面の荒野です。
道は綺麗に舗装されていて移動自体は快適です。まあ未舗装路にロシア車と比べているから平気なだけで、往路で乗っていたら愚痴りまくっていたかもしれません。

車内では陽気なモンゴル音楽が流れ出しました。
このプレイリストがとても良かった。僕はその国の音楽を聴きながら旅するのが好きなのですが、電波がないため後で調べるために録音したりしていました。
「NMN」というアーティストの「Tsahilbaa」という曲が特に好きで、モンゴル中はヘビロテしていました。
最初数時間はみんな元気なようで、有名な曲だと歌い出す人もいたりします。
道はTolbo湖を見下ろしながら降っていき、フロントからは果てしなく続く道が見えます。オルギーから標高を下げていくので景色は復路の方が良さそうです。


15:30ごろ、バヤンエンゲルという町ですらない場所で30分ほど食事休憩。視界にはこの食堂しか見えませんが奥に集落あるのかな。バスは2台とも休憩のたびに同じスポットに停まるので混みます。

走行中、たまに隣のおじいさんがラクダいるよーとかユルトあるよーと教えてくれます。

ホブドまでは山の間のなだらかな丘を下っていく感じ。曲がりくねってもいないし舗装路なので、わりとカジュアルに景色が楽しめていいです。
17:15ホブドへ。ここも荒野の中にある街ですが、郊外の水際は緑が豊かそうで、馬が草を食んでいます。
ホブドで乗降客がいるかと思ったらそのまま外郭を通り過ぎました。地方都市間は本当に移動ニーズないんだな……。

その後、カルス湖に近い岩砂漠みたいなところを過ぎると、道もなだらかに。道はずっと片側一車の線舗装路です。

その後は三、四時間おきくらいに停車してトイレ休憩があります。
場所によりますが、トイレはほったて小屋で運が良ければ扉があるだけです。中も別に綺麗ではないので、大部分の人は草原に散らばって大自然の中でする感じです。

20時半ごろ、Darvi という街を通過したところで陽が沈み始めました。まだ四分の一くらいで思ったより進みが遅いな……。少し冷えてきたので上着を着ます。

休憩のたびに運転手を交代しつつ、24時ごろにアルタイへ。暗くてよくわかりませんが、道路に沿って緑の街灯が並んでおりそこそこ大きそうです。

二日目
少し眠り、目覚めると6時過ぎでハヤンホンゴルに着いたところでした。ガソリンスタンドで休憩。

その後も休憩をはさみつつすすみ、13時前に2度目の食事休憩がありました。ここはきれいな食堂や売店がならびちゃんとしたサービスエリアのよう。トイレも(モンゴル基準では)きれいで水洗です。

休憩中に運転手さんがバスを軽く洗車しています。他のバスもみんな洗車していたので、汚いまま首都に入るな、みたいなお達しがあるのかな。
僕はモンゴルというと見渡す限りまっ平な草原、という風景をイメージしていたのですが、意外と高低差があり小山も多いです。


道路もウランバートル周辺のほうが痛んでいる気がします。オルギー-ホブド間は最近整備されたらしいのでとてもきれいでした。

27時間の予定はとっくにすぎて、17時半ごろウランバートル市内へ入ります。ようやく着くかと思ったら残り2kmほどのところで渋滞に。
目的地のノミンバスターミナルは街を東西に貫く幹線道路の北側にあります。モンゴルは右側通行のため、西から来た場合はバスターミナルに直接入れず、一度街中に入ってUターンしてくる必要があります。
これで余計に時間がかかり、到着したのは18時半。ほぼ30時間近い移動になりました。

それにしても、こんなに長くバスに乗ったのは初めてです。疲れはしましたが、景色が退屈でなかったのと定期的に休憩があったため思ったよりは楽でした。まあもう一度乗れと言われても乗りたくはないですけど。
ウランバートルへ到着
明日もまた長距離バスに乗るため、今日はウランバートル中心部までは行かずに近くのホテルに宿泊します。
ホテルは中心部への幹線道路沿いにあるため路線バスで行ってみます。
近くにバス停らしい建物が見当たらないので係員に聞くと、この辺の路上で待っていればいいらしい。Google Mapだとバス停マークはありませんが目当ての路線バスがちゃんと停まってくれました。運賃500トゥグルグ(約20円)
予約したのは「NEW WEST HOTEL」で一泊約8,000円。受付の女性はカタコトですが日本語を話せます。

明日はまた長距離バスに乗ってカラコルムへ向かいます。