モンゴル西の果て、タバン・ボグド国立公園③ クルガン湖へ一日ドライブ(2025/6/30)

モンゴル

今日はクルガン湖の方へ一日ドライブです。国立公園を北から南へ縦断するルートで、丸一日のドライブです。

朝食を食べて9時ごろに出発。すぐに小雨が降り始めました。まあ今日は移動だけですし、昨日この天気じゃなくてよかったと思いましょう。

ルート上には小さい町どころか数軒の集落すらなく、まれに遊牧民の小屋やユルトがある程度。当然、車も全く見かけません。道は一日目の後半と同じくらいで、昨日の山道よりはだいぶマシです。

この辺りはよくマーモットがいて、車が近づくと慌てて巣穴に逃げ込んでいきます。驚かせてすまない。

1時間半ほど順調にドライブしたところで、後ろで破裂音が。何かと思ったら後輪がパンクしていました。

運転手さんは運転席を持ち上げると、その下にあった工具やネジを取り出してタイヤ交換を始めました。この運転席、車体に固定されてなかったんだな……。この悪路でズレて運転しにくくないのでしょうか。

タイヤ交換をしている一時間弱の間に通った車は一台。わざわざ車を止めて様子を見にきてくれました。この辺では携帯の電波も通じませんし、路上に車が止まっている場合は大丈夫か様子を見に行くのが習慣だそうです。

無事タイヤ交換も終わり、さらにしばらく走るとミルクリバーという白く濁った川に着きました。名前の通り氷河で岩粉が溶け出して灰色に濁っています。

ここはちょっとした観光スポットになっており、他の観光客もいました。川沿いには数軒の商店があり、軽食やビールを調達します。

ここから山を越えていきます。この山は危険なルートらしく、これまでに結構な数の人がなくなっているそう。そんな話をしながら、運転手はさっきの商店で買ったビールを飲み始めました。何でこのタイミングで飲んだ?

雨はやみましたが、雨雲に近づくと一気に天気が崩れます。雲の様子から雨の合間を縫って、川沿いで昼食。後でこの川を渡ります。

昼食後、近くにあった墓地を見学します。この辺では近親7世代くらいが同じ墓に入るそう。年代ごとに墓の作りや埋葬方法が異なり、いろいろな種類の墓が並んでいます。

少し走った先にある昔の武将の墓。墓の前には倒した敵の数をあらわすという列石が遠くまで続いています。

石像は敵対部族によって首が切られています。モンゴルというと敵対勢力は破壊しつくすイメージでしたが、形が残っているのは見せつけるような意味があったのでしょうか。

15時過ぎに目的地であるクルガン湖のほとりに着きました。今朝までいた氷河あたりと違って生命感があるというか、なんだかのどかな感じです。標高も下がったのか針葉樹林を久しぶりに見ました。

湖の南側にちょっとした集落があり、ユルトがぽつぽつと立っています。今日明日はここで宿泊します。

ここではすぐ裏手の川からポンプで水をくみ上げており、冷水シャワーが使えました。トイレも水洗です。この時は気にしてなかったんですが、下水がないのに流した水はどこへ行ってたんだろう。

オーナーの遊牧民ご家族からミルクティーとチーズ(アーロール)をいただきます。これは発酵した乳から水分を分離して固めたものらしく、歯が欠けるんじゃないかってくらい硬い。

ここではカザフ伝統のイーグルハンターの方とお会いします。ほとんどのツアーではハンター訪問が日程に組み込まれています。

イーグルハンターといっても実際に鷹を使って狩りができるのは数えるほどで、ただ鷹を飼っているだけの遊牧民が多いとか。

そんな中でこのハンターはかなり有名な方で、この方をモデルにした写真がナショナル・ジオグラフィックで賞を取ったこともあるそうだ。まあお土産のウォッカを楽しそうに回し飲みしてるところはただの酔っ払いに見えますけど。

明日はクルガン湖周辺を観光します。