フンダルマン: カルギル印パ国境管理ライン間近のゴーストビレッジへ

インド

ジュレー!今日はカルギル郊外のインド・パキスタン国境間近のゴーストビレッジ、フンダルマンを観光します。

フンダルマン(Hunderman)は、インド北部ラダック連邦直轄領のカルギル近郊に位置する、インドとパキスタンの実効支配線(LoC: Line of Control)沿いにある国境の村です。

フンダルマンは1947年のパキスタン分離独立時にはパキスタン側に属していましたが、1971年の第3次印パ戦争でインド領へと編入されました。

その後、1999年のカルギル紛争において紛争の最前線となったことから、住民たちが安全確保のために集落を移転したことで、住む人のいないゴーストビレッジとなりました。

紛争後は観光客の立ち入りは禁止されていましたが、2015年以降は外国人も含めて観光が許可されています。パーミットも不要です。

カルギルからフンダルマンヘ

カルギルからフンダルマンヘは車で30分ほど。公共交通機関はないのでタクシーかバイクで行くのが簡単です。

僕はタクシーをカルギルのタクシースタンドで手配して、往復・待ち時間含め1,500Rs(約2,600円)。これくらいが公定料金のようです。

カルギルの街を抜けると、荒涼とした岩山と乾いた風が吹き抜ける独特の山道へ入ります。

道中はガードレールもない断崖絶壁のワインディングロード。

これまでの旅で崖沿いの道には慣れたつもりでしたが、座っている助手席が崖側だったこともあり、今までの道の中でも結構怖く感じました。

バイクで行く場合、道は舗装されており難しくはありません。レンタル料+ガソリン代でタクシーよりちょっと高いくらいです。

谷の向こうにパキスタンを望む「LoC展望台」

山道を30分ほど進むと「フンダルマン LoC 展望台(Hunderman LoC View Point)」にたどり着きます。

ここからはLoCとその先にあるパキスタン領が見渡せます。

谷の先、写真中央中程あたりにある緑の部分はまだインド領。その先の緑はパキスタン領。

これまでもパキスタン領近くまでは行きましたが、領土が見えるところまでは近づけなかったので初見です。

展望台の上には望遠鏡が置かれており、ローカルの人がめぼしいスポットにピントを合わせてくれます(80Rs、約140円)。

インド、パキスタンの村や、山の稜線にあるトーチカなど。インド側はともかく、パキスタン側にレンズ向けて大丈夫なのかな。

近くのインド領の山。目を凝らすと4つくらいトーチカが見えます。

フンダルマンと「記憶の博物館(Museum of Memories)」

展望台から少し進むと、かつて人々が暮らしていたフンダルマン村に着きます。

駐車場(というか道路脇)から少し降った先には石造りの家々が残されています。

展望台には数人のインド人観光客がいましたが、村には他の観光客は誰もいません。

建物の多くは今にも崩れそうなくらいですが、保全団体によって修繕されているよう。

そんな村の一角にあるのが、民家を改装して作られた「記憶の博物館(Museum of Memories / Hunderman Museum)」です(100Rs、約170円)。

展示スペースは二箇所あり、管理人の若者が案内してくれます。管理人は家主の息子さんですが、20歳でここに住んでたことはないそう。

博物館の入り口。隣の穴は扉の鍵穴(ここから手を入れて、扉の閂にかかった鍵を開ける)。

室内に展示されているのは村人たちが残した装飾品や調理器具など日用品の数々。

また、戦争で使われた不発弾や薬莢など、紛争の傷跡がそのまま保存されていました。

一通り説明を聞いて外へ。

この村の今にも崩れそうな石造りの家屋と、自分たち以外に誰もいない静けさはこれまでのインド辺境村の中でも一番好きです。辺境でも人が住んでいると何かしら文明が入り込んできてしまうからな。

村の目の前の野外カフェ、というかシート敷いただけのスペースで休憩。

カシミールなどイスラム文化圏で飲まれる淡いピンク色のお茶「ヌーン・チャイ」。

チベットのバター茶っぽい塩味ですがバターは入っておらず、重曹を入れた塩ミルクティーみたいなものらしい。

一緒に添えられていたクッキー(?)はびっくりするくらいパサパサで、お茶一杯で一つ食べるのがやっとです。これローカルの人は普通に食べられるのかな。

しばらくまったりした後、タクシーでカルギルに帰りました。

カルギルについてはレーとスリナガルを結ぶ幹線道路の中継地点というイメージでしたが、ラダックとはまるで異なるイスラムの生活文化があふれる街や、フンダルマンの時が止まったかのような静けさは結構好きです。

文化の境界線と歴史の爪痕を肌で感じるために、一日カルギルで過ごしてみるのもいいんじゃないでしょうか。