ニイハオ! 今日は高速鉄道で青島から泰安まで移動します。
高速鉄道で泰安へ
中国で高速鉄道に乗るのは今回が初めてです。
中国の鉄道を予約する場合、公式サイトの「中国鉄路12306」であれば手数料不要ですが、利用には中国の電話番号が必要です。
僕は電話番号なしのeSIMを使っているのと、言語的にトラブルあった時に厳しいかなと思いTrip.comを利用しました。Trip.comだと予約手数料が列車の種類に応じて数百円必要です。ですが、鉄道予約によって行き先のホテルが割引になるため、泊まるホテルによってはトータル金額それほど変わらない気もします。
予約した列車は青島を10:54に出発するG5552。同じ行き先でも便によって料金が若干違うのですが、この便は一番安い二等クラスで4,066円でした。
中国の駅は広いし入場に時間かかるので早めに駅へ行ったほうがいい、と聞いていたので余裕を持って駅へ向かいます。だいたい1時間前に着けるよう9:30ごろにホテルをチェックアウトして、昨日と同じく青島駅まで歩きます。

中国の駅は日本とは違って構内に自由には入れません。入場時には、駅入り口の有人ゲートで係員にパスポート見せて保安検査を受ける必要があります。中国人であれば身分証で自動ゲートを通れます。
※一部外国のパスポートが通せる自動ゲートもあります。僕には区別がつかなかったので有人ゲートを使っていました。
鉄道に乗る前には紙の切符を発券する必要があると思っていたのですが、どうもそれらしい窓口が見つかりません。駅員さんに聞いてみるとだいぶ前(2020年)にeチケット化され、パスポートだけで改札できるようになったらしい。これなら15分前に来れば十分でした。

プラットフォームへは列車到着間近まで入れないため、待合室でしばらく待ちます。待合室は冷房が弱くてちょっと暑いです。
15分ほど前にプラットフォームが開いたので入場。ここでも、再度パスポートチェックが必要です。
列車は定刻通りにやってきました。

予約した時に、窓際希望でも窓際席が取れなかったので混んでいるかと思ったらガラガラでした。まあ僕の席は窓の間の壁にちょうど当たっていて、ほとんど外は見えませんが。

隙間からしばらく外の景色を眺めます。青島ではあまり気になりませんでしたが結構ガスっています。黄砂なのかスモッグなのか、どちらにせよ体には悪そうです。

途中駅で隣に中国人のおじさんが乗ってきました。電話するのはいいんですけど、スピーカーモードでやる必要ある?仕事の電話だったら内容全部聞こえてますよ。
車内は定期的に乗務員が巡回してチケットチェックをしています。他の席が空いていれば移ってもOKそうだったので、まるごと空いていた別席の窓際に移動してゆったり過ごせました。
途中、何駅か駅を通り過ぎていきます。名前を聞いたことがないような駅でも高層住宅が立ち並んでいて、この国の人口の多さを実感します。ただ、住宅に対してオフィスや商業施設の比率が少ない気がします。街に住人分の仕事はあるんでしょうか。

14時半ごろ、定刻通りに泰安駅に到着。妙に汗をかくので気温をみると36度です。青島が21度くらいなのでだいぶ気温が上がりました。ホテルまでは歩くと30分くらいかかるのでタクシーで移動します(8.6元、約170円)。
予約していた「泰安格徳智慧酒店」へ到着。

メインの玄関(左側)は別のホテルの看板なので間違えたかと思いましたが、同じ建物に二つのホテルが同居しているようです。外側の玄関は二つ分かれていてフロントも別ですが、エレベーターは共通。

窓際でお茶できるようになっています。一泊約4,700円くらいなのですが結構いい部屋です。
泰安の岱廟を観光
このあとは次の街へのバスチケットを購入して、泰安を少し観光します。
次は3日後に安陽という街に行く予定です。調べてみると泰安からは一日一本バスの便がありそう。チケットが売り切れると困るので早めに購入しておきます。チケットはウェブでは購入できないので、直接バスターミナルへ行きました。
泰安は広く、バスターミナルや有名観光地は先ほど到着した泰安駅ではなく、10km 弱離れた泰山駅のほうにあります。ちょっと遠いので配車アプリでタクシーを呼んで移動 (16.4元、約330円)。
バスターミナルではあらかじめ書いておいた行先のメモを渡してチケットを発券してもらいました。3日後にどこどこ、とか口頭でコミュニケーションできる気がしません。
少し時間があるので、近くにある岱廟という観光地へ。歩いていけるかと思ったら2kmほど離れていたので、ここもタクシーで移動します。入場料は通常20元、国際学生証で10元でした。
岱廟(と泰山)は歴代の中国皇帝が封禅という儀式を行った場所として有名です。封禅を最初に行ったと記録されているのは秦の始皇帝。
封禅自体は始皇帝が始めたわけではなく、その伝承は三皇五帝時代からあったらしい。というか、始皇帝の時点で皇帝になるためのルールが伝承レベルでも存在してるってやばいな。始皇帝が自身の正当性を示すために太鼓の儀式を復活というか定式化させた感じなのでしょうか。漫画「キングダム」でも描かれるのかな。
岱廟の建物自体は宋の時代に再建?拡張されたものらしく、建物自体も中国三大宮殿建築として知られています(残りは北京の紫禁城と曲阜の孔廟)。

建物はよくわからなかったのですが、歴代帝国の歴史を感じさせるものが多々あります。

秦二世刻石。これは始皇帝が権力誇示のために彫った始皇七刻石の一つらしい。始皇帝についての記述は宋の時点で失われており、現在は二世皇帝時代に李斯によって掘られた十文字が残っている。

漢の武帝が封禅の際に植樹したといわれる柏の木。2,000本ほど植えて、現在残っているのは敷地内に5本。紀元前110年に植えられたとすると樹齢2,100年以上でしょうか。

北宋時代の亀形の石碑(亀趺碑/きふひ)。敷地内にはこうした亀趺碑が大量にあるのですが、岱廟でもっとも古いものは1013年建碑の「大宋東岳天斉仁聖帝碑」。泰山の神として信仰されていた東岳大帝(泰山府君)に宋が神格を公認したことを表しているらしい。

敷地の高台からは泰山の山頂と南天門が見えます。

一通り観光したのでタクシーでホテルのほうへ帰ります。
夕食は近くの食堂「大锅羊肉冲汤」で「羊杂汤」という羊の内臓スープ。食べ方よくわからなかったのですが、食堂のおばちゃんがパンみたいなものや小皿と一緒に食べるといいよーといい感じの組み合わせを教えてくれました。ビールもつけて31元(約620円)。

一番小さいスープだけなら10元くらいで頼めます。朝食ならこれだけでもいいかも。

ホテルに戻り、洗濯機が無料で使えるので別フロアの洗濯室へ。部屋に帰ろうと思ってエレベーターに乗ったところ、客室階のボタンが押せません。どうもこのビル、ホテル2つだけでなくオフィスビルも同居しており、エレベーターもホテル用とオフィスビル用の2種類があるみたいです(入口もホテル2つとオフィスで3つある)。1Fのホテル側入り口から入るとホテル側エレベータしかないので問題ないのですが、客室からは全エレベータに乗れるのでホテル側入り口に出られない場合があるという謎構造でした。
にしても、泰安に来てから空気のせいかちょっと目が痛い気がします。シャワーで目を洗って就寝。
明日は泰山に登ってきます。