田園に聳え立つ要塞 開平塔楼(2025/10/8)

中国

ニイハオ!今日は広州近くにある世界遺産、開平塔楼を観光します。

開平塔楼(Kaiping Diaolou)は、中国広東省の江門市開平に位置する多層階の防衛用住宅群です。これらの建物は、主に19世紀末から20世紀初頭にかけて、北米や東南アジアへ渡った華僑たちが帰郷した際に建設されました。当時の中国社会における不安定な治安状況から、匪賊の襲撃に対する防衛機能と、低湿地帯での水害を避けるための高層構造が備えられています。

建築様式は、中国の伝統的な建築技術と、西洋のバロック、ロココ、ルネサンス、ロマネスクといった多種多様な意匠が融合している点が特徴です。建築材料には、レンガや石材のほか、当時としては最新の技術であった鉄筋コンクリートが多用されています。現在も地域には約1,800基の塔楼が点在しており、当時の生活様式を伝える建築物群が維持されています。

2007年には、「開平楼閣と村落」としてユネスコ世界遺産に登録されました。代表的な集落である自力村や馬降龍村、立園などでは、現在も多くの塔楼を外部から見学することが可能です。

匪賊の襲撃に備えるために住民によって作られたという点では先日 訪れた福建土楼と似ています。というかこの周辺、近代までの治安悪すぎて怖いです。

広州から開平へ

広州から開平へは高速鉄道で移動できます。広州にいくつかある高速鉄道駅のうち、広州南からがもっとも行きやすいよう。

今いる空港近くのホテルから広州南駅へは40kmほど離れています。

6時ごろにホテルを出発し地下鉄駅へ。

地下鉄3号線-2号線と乗り継いで、一時間ちょっとで南駅に着きました。

広州南駅は構内にマクドナルドが4店舗ある超巨大な駅です。いや多すぎるだろ。

この駅の改札には珍しく一等乗客向けの優先ゲートがあるのですが、二等席の中国人も区別なく優先ゲートに並び、切符チェックで弾かれて改札員に個別対応してもらうので余計時間かかります。この優先ゲート意味ないな。

一時間ちょっと電車に揺られ、9時半ごろに開平南駅に到着。運賃は一等で2,600円ほどでした。

今日は開平に宿泊するためいったんホテルへ行き荷物を置きます。

開平塔楼の主要観光スポット

開平周辺の村々には2,000近い塔楼が残っていると言われます。観光地としては以下のスポットが開平からも行きやすく有名です。

  • 自力村 (Zili Village):水田の中に塔が並ぶ、最も有名なフォトスポット。
  • 立園 (Li Garden):豪華絢爛な別荘と庭園。華僑の富の象徴。
  • 馬降龍 (Majianglong):竹林に囲まれた静かな村。「世界で最も美しい村」とも。
  • 錦江里 (Jinjiangli):「開平第一楼」と呼ばれる最高峰の塔がある村。
  • 赤坎古鎮 (Chikan Old Town):レトロな洋風建築が並ぶ、映画のロケ地としても有名な街。

これらのうち、世界遺産の構成要素になっているのは自力村、馬降龍、錦江里です。

自力村、立園、馬降龍、錦江里は共通チケットがあり、全部で180元(約3,600円)。

また、自力村、立園、赤坎古鎮、馬降龍の間は本数は限られますが無料観光バスが走ってます。バスは上のルートを往復する形で巡回しており、自力村と馬降龍それぞれから一日四便(10:30、12:30、14:00、15:30)。

赤坎古鎮はかなり観光地化されているらしいのでスキップし、錦江里→馬降龍→立園→自力村の順に回ってみることにします。

錦江里

開平市街からだと路線バス613路で行けます。百度地図をみると大体20分おきに走っているよう。

ホテル近くのバス停に行くとちょうどバスが来たところでした。

このバスは行先によって運賃が違います。僕が乗った市街中心付近からだと錦江里まで7元、バスカードはAlipayの江門市のもので支払えます。

バスは一時間ほどで最寄りのバス停「錦江里路口」停留所に到着。

景区までは田舎道を10分ほど歩きます。今日の気温は32度くらいとそこまで高くないのですが、日差しを遮るものがないせいかかなり暑く感じます。

入口でチケットを購入して村の中へ入ると、そこはまるでRPGの世界の村のよう。開平から一番遠いせいか観光客は全くいません。

村の中には普通に住人が暮らしておりのどかな感じです。

建物のパラペットや窓の枠にはきれいな装飾が施されていますが、窓の鉄格子が防衛拠点であったことを思い起こさせます。

家々の間の細い道を進んでいくと、奥に三つの楼が並んでいます。楼の手前には全然スペースがないため全体が写真に収められません。

三つの塔のうち昇峰楼、錦江楼は入場券のみで中に入れます。

最も美しい塔楼として有名な瑞石楼は司徒家の私有財産だそうで、入り口近くにいるおじさん(司徒家の人?)に別途入場料を払う必要があります(20元、約400円)。

まあ塔からの眺めはどこも似たようなものなので、どれか一つ登ればいい気もします。

中国では土地の個人所有ができないため、土地は村の集団所有、その上の建物は私有財産、一般公開されている建物は政府が所有者から借りあげて観光地化している(司徒家は貸し出さず自分で管理してる)という扱いのようだ。

中国だと観光地化のために強制的に接収されそうなイメージがあったため、世界遺産の一部が私有財産として残っているというのは意外です。

暑いので次の楼まではタクシーで行こうかと思いましたが、DiDiは全く捕まらず客待ちもいません。来た時と同じ道を歩いて戻り、しばらく待ってやってきた613路に乗り込みました。

馬降龍

同じく路線バス613路の「馬降龍路口」停留所で降り、15分ほど歩きます。

間違って一つ手間で降りてしまいましたが、この辺は集落内でバス停間の距離が近いので助かりました。

景区は入場ゲートから入り順路に沿って一周できるようになっているのですが、バス停側から来るとゲートを通らず順路の途中に出ます。

楼は村落内に点在しており、観光ルートに沿って回れば主要な見どころを巡れます。

こちらの楼は鉄格子や銃眼が目立ち、錦江里と比べると装飾も少なめです。全体に戦闘色が強い気がします。

立園

馬降龍からは無料観光バスで立園へ向かいます。

昔はバスの中でコーヒーが飲めたのかな?今はやっておらずただの観光バスとして運行しています。座席は横に座る感じで踏ん張りがきかないので、急ブレーキかけた時とかちょっと危ない。

庭園の中に綺麗な楼が立つ平和な世界です。

もっとも、ここも治安が良かったわけではなく、オーナーである大富豪の謝維立氏が最新の銃器で武装していたためヤバすぎて匪賊でも手が出せなかった感じのよう。抑止力としての武力が重要であることがわかります。

塔というより、西洋の邸宅と中国の庭園が混ざった不思議な感じです。

自力村

立園から最終の観光バスに乗り自力村に来ました。立園からは5分ほどとすぐ近くです。

田んぼの中に楼が立ち並ぶ、開平で一番有名なスポットです。

もともとあった集落に対して、後から塔を見晴らしがよい田んぼの中に建てたことでこの景観になったらしい。

田んぼからニョキニョキ生えてるのは不思議な感じ。一族がそれぞれ所有する田んぼに楼を建てたのかな。これをメインの住居にしていたわけではなく、多くは普通の別邸があったようだ。

明日は南寧に移動し、ベトナムとの国境にある徳天瀑布へ行ってきます。