ソナマルグ: カシミール戒厳下の高原リゾートへ

インド

サラーム!今日は一ヶ月ほどいたラダックをようやく離れ、カシミール地方の入り口にある高原リゾート「ソナマルグ(Sonamarg)」へ向かいます。

ソナマルグはパキスタン国境から3〜40kmと近く、ラダックへの兵站ルートも通る防衛の要衝です。

また、二年前には近郊のガガンギール(Gagangir)で武装集団がトンネル建設現場を襲撃し、七名が亡くなるテロ事件もありました。

そのため、ソナマルグ付近の山岳地帯にはインド陸軍が、町や周辺警備は警察が多数配置され、ラダックと比べても一段警戒レベルが高くピリピリした雰囲気があります。

ソナマルグへの行き方

レーからソナマルグへ

レーから行く場合、シュリーナガル行きの乗合タクシーを途中下車するのが一番簡単です。

乗合タクシーはシュリーナガルまで一日で行く(カルギルで宿泊しない)タイプが多く、その場合はソナマルグまで8〜9時間くらいで行けます。

運賃はおそらくシュリーナガルまでと同額取られます(当日、席に空きがあれば交渉次第でもっと安く行ける)。

通常の運賃は3,000Rs(約5,100円)くらい。僕は助手席を占有して3,500Rs(約6,000円)でした。

シュリーナガルからソナマルグへ

直行の乗合タクシーはかなり少ないようで、途中のカンガン(Kangan)という町で乗り換えるのが一般的です(3〜400Rs)。

チャータータクシーなら3,500Rsくらいで行けます。

僕はソナマルグからシュリーナガルへはチャータータクシーで移動しました。

レーからソナマルグへ乗合タクシーで移動

予約した乗合タクシーの発車時刻は朝5時。外はまだ真っ暗です。

レーの街中で乗客をピックアップ。乗客は僕含めて四人だけと結構少なめ。他の客はみんなシュリーナガルへ向かうインド人です。

レーからカルギルまでの道のうち、特にアルチあたりまでは自分でドライブ、カルギルからの帰り、バイクツアーと繰り返し通っているのでもう見慣れた感じです。

ナミカ・ラ(Namika La)

今回の運転手はインド人にしては結構な安全運転で、前に遅いトラックがいてもなかなか追い越ししません。僕もインドでの運転に慣れてきたこともあり、つい「とっとと抜かしてくれ」と思ってしまいます。毒されてるな。

朝7時半ごろ、ラマユルへの分岐の手前にある町カルツィ(Khalsi)で朝食休憩。定番のマギーヌードルと温かいミルクティーで70 INR(約120円)。

車は五時間半ほど走り、10時半ごろにカルギルに到着。ここから先は未知のルートです。

車窓からの景色も、岩の茶色から次第に枯れ草の茶色、そして草木の緑へとグラデーションのように変化していきます。

 車は13時前に難所のゾジラ峠(Zoji La Pass)へ到着。この辺がラダックとカシミールの境界です。

ゾジラ峠は見事な断崖絶壁で、すれ違いにも緊張感が漂うダート道が続きます。現在バイパストンネルの建設工事が進められているため、このスリリングな未舗装路を走れるのも今のうちかもしれません。

追い抜きも大変

さらに一時間ほど走り、14時ごろにソナマルグへ到着しました。レーからは休憩含めて9時間ほどかかりました。

雪山の下に広がる緑の針葉樹林と大草原はとてもインドとは思えず、まるでスイスのような雰囲気です。

Four Points By Sheraton Sonmarg Resort

この日の宿は「Four Points By Sheraton Sonmarg Resort」で、一泊約7,500Rs(約12,800円)。

マリオットのプラチナステータスになってから初めてマリオット系列のホテルに泊まります(キナウル・スピティやラダックには26年9月時点でマリオット系列はない)。

ホテルは街から徒歩20分くらいのところにあり、バルコニーから草原や街が見渡せます。

ソナマルグからは夏の間しか行けない謎の洞窟寺院へトレッキングしようと思っていたのですが……今年は8/28にルートがクローズしておりもう行けないらしい。

季節的に夏の間(九月末ごろまで)は行けると思っていたのですが、どうも巡礼可能な期間はヒンドゥー歴で決まっているようだ。

ということで、謎の寺は諦めて周辺のショートコースを歩いてみることにします。

タジワス氷河トレッキング

到着翌日はホテルでのんびりし、次の日はソナマルグ裏手に見える氷河へトレッキング。ここはソナマルグでは最も有名な観光スポットのよう。

僕が泊まっているホテルは町と氷河の間くらいにあるため、町から歩く場合と比べて20分ほど時間を短縮できました。

ホテル裏手の牧場を突っ切ってトレッキングルートへ。道はなだらかな登りです。

氷河が近づいたところでお勤めに行く軍人のグループに合流……というか囲まれ。「どこから来たの?」とかお決まりの質問に答えつつしばらく一緒に歩きます。

態度はフレンドリーなんですが普通にアサルトライフル(?)を抱えているのでちょっと怖い。

トレッキングアプリ「AllTrails」では谷の奥までトレッキングルートが続いているのですが、軍人によると現在は歩いて一時間ほどの展望台までしか行けないらしい。これは外国人だけでなくインド人も同じのようです。

下の写真のうち、ルートは左側の氷河麓あたりまで、現在 行けるのは右側の氷河麓の谷のまでって感じです。

また、周囲の写真撮影に関しても一眼レフカメラの使用は禁止されており、スマートフォンのカメラのみOKのようです。

1時間ほど歩き、氷河を一望できる展望スポットに到着。

ビュースポット周辺はカフェというかテントが立ち並んでいます。そんなカフェの一つで休憩。

ミルクティーを頼んだらジンジャーハニーティーが来ました。全然違うだろ、と思いますがよくあることなので黙って飲みます。

この辺はホーストレッキングも人気のよう。インド人はこれくらいの距離でもよく馬に乗ってます。

テーブル・トップ トレッキング

次の日はソナマルグの郊外にあるビューポイント「テーブル・トップ」へ。

テーブル・トップは有名なカシミールのトレッキングルート「カシミール・グレートレイクス(Kashmir Great Lakes Trek)」の序盤にあるビュースポットです。

※カシミール・グレートレイクスを歩くにはガイドとパーミットが必要ですが、テーブル・トップまでなら個人・パーミットなしで行けます。

ソナマルグの町からタジワス氷河を左手に幹線道路を一時間ほど歩き、トレッキングのスタート地点へ。

ここまでで3回も警察の検問がありました。昨日のタジワス氷河と違って観光客はほとんどいませんし、幹線道路を歩いて町の外へ出ようとする外国人は不審人物以外の何者でもないのでまあ止められるかって感じです。

対応はチェックポストによって違いますが、「テーブルトップへ日帰りする」と言うことをちゃんと伝えたら通してもらえました。

トレッキングルートの入り口から幹線道路を外れ、丘の上の歩き道へ。道はタジワス氷河よりは傾斜のあるなだらかな登りです。

途中でゴミ捨て場のような場所があるなと思ったら軍のトーチカでした。中にいた軍人に手招きされ軽く尋問です。

英語があまり通じず少し苦労しましたが、結論「テーブル・トップまでは行くな、中腹の丘までならいい」ということで釈放です。

左側の小さい丘まで行った。右側の丘には別のトーチカ

残念ですがちょっと疲れてきてたのでまあいいか。

少し登って丘の上から。ホテルからルート入り口まで一時間、入り口から小さい丘まで一時間くらいでした。

テーブル・トップはソナマルグ周辺の谷を一望できるスポットなのですが、この小さな丘からでも十分ソナマルグの景色を楽しむことはできました。

左の谷が町、右側がタジワス氷河。

帰りに、町のチェックポストの警官に「軍人に止められてテーブルトップまで行けなかった」と話すとこの辺ではよくあることらしい。

立ち入り制限は頻繁に変わりますし、警察と軍人でも言うことが違ったりするので厳しい方に従いましょう。

夕食で食べたカシミール料理のタバク・マーズ(Tabakhmaaz)。皮はパリッと揚げ、中身は柔らかく仕上げた骨付きラムのリブ。スパイスの効いた衣のない唐揚げって感じでしょうか。

明日はカシミールの中心地シュリーナガルへ向かいます。