ニイハオ!今日は安陽にある曹操の墓 曹操高陵と、袁世凱の墓の袁林を観光します。
今日は他に見たいところもなく、時間があるので路線バスを乗り継いで行ってみたいと思います。
曹操高陵
河南省安陽市にある「曹操高陵(そうそうこうりょう)」は、三国志で知られる魏の初代王・曹操の陵墓とされる遺跡で、2009年に正式に発見されました。
発掘調査によって、石牌や副葬品から「魏武王」の文字が確認され、歴史的価値が高く注目を集めています。陵墓は地中式で、東西約40メートル、南北約50メートルと比較的小規模ですが、保存状態は良好で、当時の葬送文化を知る手がかりとなっています。
敷地内には展示館が併設され、発掘品や復元模型を通じて、曹操の人物像や時代背景を学ぶことができます。この高陵は中国の国家4A級景区に認定されており、観光資源としての整備も進んでいます。
曹操高陵は安陽の郊外にあります。高速鉄道が停まる安陽東駅からであれば、58路バスの一本で曹操高陵まで行くことができます。
僕がいる安陽駅近くからだと、まず適当なバスに乗って58路に乗り換えるのがよさそうです。調べると4路の停留所から少し歩けば58路に乗り継げそうです。

まずは昨日のバス停で少し待ち、8時半ごろやってきた4路に乗車。30分ほど乗って「万金大道路口」で下車します。そこから、58路が通る「柏庄停留所」まで300mほど歩きます。

わかりやすいバス停の待合スペースがあるかと思ったら道路の柱に路線表がつけられているだけです。これ、歩道側からは見えないのでバス停ってわかってないと見つけられなそう。

このバス停まで僕と同じように歩いてきた中国人が二人いたので安心していたら、迎えに来た車に乗って去っていきました。迎え待ってるならなんでここまで一緒に歩いてきたんだろう?
百度地図によると58路はおよそ30分間隔で走っているようです。「ここで何してんの」と話しかけてくるおじさんを適当にあしらいつつ待ちます。始発なら30分とか余裕で待てるんですけど、途中の停留所だと本当に来るのか少し不安になります。
10分ほど経って、9:10過ぎくらいにバスがやってきました。観光客向けのバスかと思ったら普通の路線バスです。乗車口にあった改札機で運賃3元を支払います。その隣には運賃2元の別の改札機があり、運転手からは「お前はこっちでよかったのに……」みたいな感じで指さされました。途中乗車だと割引になるのかな?

バスは郊外へ向かって走っていきます。周囲には畑が広がり、その向こうをローカル列車が走り抜けていきます。観光地化にはかなり力を入れているようで、道路自体は車線も広く整備されています。
乗客は途中の村々で降りていき、終点の曹操高陵まで乗っていたのは僕一人。路線バスは駐車場で僕を降ろすと、駐車場にあったバス停の前で復路の時間待ちを始めました。時刻は9時半くらい。安陽駅から曹操高陵までだいたい一時間くらいで来れました。

駐車場には十数台の車が停まっているものの……今日 土曜日ですよ?殷墟は平日でもかなり混んでいたため、殷墟を平日、曹操高陵を休日にあてたのは結果的にはよかったです
チケット売り場でチケットを買います(50元、約1,000円)。ここも学生扱いは18歳以下のみなので普通に買いました。

入ってすぐ、大きな像と建物が目につきます。
ここ、発見当初の2009年ごろは本当に曹操の墓かどうか議論があったのですが、現在は曹操のものとしてほぼ決着がついているようです。まあこんな大きな建物も建てて間違いだったら結構まずいよなあ。

建物の中から墓を見ることができます。墓のすぐ脇には博物館の入口があります。墓の隣なので小さいかと思ったら地下2階分でまあまあ大きく、発見の経緯や発掘の様子、副葬品なんかが展示されています。

墓の内部の複製や、戦争の様子などジオラマ的な展示も。


また、展示には宋以降の陶磁器もあります。高陵の建物は後継者 曹丕の薄葬令により取り壊され、唐代ごろには所在もよくわからなくなっていたそう。それでも、宋代には周辺で経済活動が行われており、これらは高陵の墓守の人たちの子孫だったのではないか?みたいなことが展示の結びに書いてありました。この展示の結びはとても良い。
青山依旧在、几度夕阳红。高陵陵园虽然只存在了短暂的时间、但是高陵却一直存在于历史的记忆中。
(青い山は今もそこにあり、幾度となく夕日が沈んでいった。高陵の陵園は短い期間しか存在しなかったが、高陵そのものは歴史の記憶の中で生き続けている)
袁林
河南省安陽市に位置する袁林(えんりん)は、清末から民国初期にかけて活躍した政治家・袁世凱の墓所です。
1916年に袁世凱が没した後、1918年に完成したこの陵墓は、敷地面積約9万平方メートルを誇り、明清時代の帝王陵を模しつつ、西洋建築の要素も取り入れた独特な設計が特徴です。南北に伸びる参道沿いには、石馬や石虎、文武官像が整然と並び、威厳ある雰囲気を醸し出しています。正門の牌楼(パイロウ)や墓台は西洋式の鉄筋コンクリートで造られており、時代の過渡期を象徴する建築ともいえます。園内には巨大な石碑や景仁堂などもあり、袁世凱の権威を偲ばせます。
袁林は現在、中国の国家3A級景区に認定されており、文化財保護の対象にもなっています。歴史好きにとっては、近代中国の政治と建築の交差点を体感できる貴重な観光地です。
僕は袁世凱は敵役として好きなので、その墓である袁林にも行ってみようと思います。
曹操高陵からは58路で街へ戻り、途中で2路へ乗り継げば良さそうです。
曹操高陵の駐車場で待っていると10:30ごろに路線バスが来ました。バスはすぐ折り返すわけでなく、10:50ごろまで駐車場で待機した後に発車しました。来た時のように3元の改札機で運賃を払いましたが、今度は始発のせいか何も言われませんでした。
バスにしばらく揺られ、来た時とは別の「黄家菅停留所」で58路を降りて乗り換えを待ちます。ここは通常の幹線道路と、その脇に二輪用の道路が整備されているタイプ。58路のバスは幹線道路を通って僕を降ろしたので幹線道路を見ていたら、2路は二輪用の道路から来ました。そういうパターンもあるのか……。運賃は1元(約20元)。

停留所から数百メートル歩いて袁林へ。入場料は18元(約360円)。
袁世凱は中国でも人気はない(むしろ嫌われている)らしく、観光客はほぼいません。墓を保存しているのも反面教師としてらしい。

建築にかかった費用は70万銀元(1銀元=約27gの純銀)で、現在の貨幣価値だと数億~十数億くらいの価値だそう。墓自体は思ったより小さいのですが、敷地は広く他に建物もあるのでそれくらいの金額にははなるのかなあ。

帰りは袁林すぐそばのバス停から23路バスに乗って、駅近くまで戻りました。
昼食は駅近くのファーストフード店「贝斯汉堡」へ。Aセットというのを頼んで16元で、マクドナルドに比べるとだいぶ安く、中身は値段相応という感じです。
店内では店の関係者っぽいおばさんと子供が席を占有して遊んでます。いま昼時だから座れないお客さんが帰ってますけどいいのかな?それにしても、この店内はめちゃくちゃ冷房効いてて癒されます。ファーストフードはこうじゃないと。

ホテルに戻ってしばらく休みます。部屋の外からずっと話し声が聞こえるので「ずいぶん立ち話が長いな……」と思っていたのですが、出かけるときに廊下に出ると近くの部屋の扉を全開にして室内にいるグループが話してました。プライバシーとか気にしないタイプの人たちだったみたいです。
夕食は近くの食堂「同来順」へ。ここ、外見はグループ向けの中華料理店のように見えるのですが、ローカルの人も一人飯していたので一人でも大丈夫そうです。

「优质烩面」と串焼き、ビールで36元(約720円)。「优质烩面」というのは上質な煮込み麺、みたいな意味らしく、確かに具材も多様でスープも豊かな味がします。中華の食材も香辛料も全く知らないので何が効いているのかよくわかりませんが、若干カレーのような味がして美味しかったです。

明日は高速鉄道で北京へ移動します。