ナマステ!今日からバイクでチベット国境近くの村チトクルを目指します。
チトクルは「インドで最後に人が住む村」として知られるまさに最果ての村です。
レコン・ピオからチトクルはローカルバスで行くのが一般的。ですが、チトクルへの道は崖沿いの絶景ロードということで僕はバイクで行ってみることにしました。
レコン・ピオでのバイクレンタル
レコン・ピオにはバイクレンタル店が数件があります。僕は「Lucky Bike Point」という店で借りました。

今回はこれまで以上に過酷な未舗装路や険しい山道が続くため、スクーターではなくマニュアルバイクを借りることにしました。借りられたのは「YAMAHA FZ25」という車種で一日1,500Rs(約2,600円)。

行ってみた感想としては、途中に未舗装路はあるものの頑張ればスクーターでも行けるレベルです。
バイクでチトクルへ
朝9時ごろにレコン・ピオを出発し、しばらくは昨日バスで通った幹線道路を戻ります。

バスの車窓からでは全く気づかなかったのですが、道路脇の崖にしばしば軍用と思われるトンネルが掘られているのが見えます。トンネルの近くを通り抜けるたびに、内部から天然のクーラーのような冷気が吹き出してきて気持ちいい。

このキナウル(Kinnaur)地方は、中国のチベット自治区との国境に至近であるため、現在でも軍事的な要衝としてインド軍が駐留しています。そのため、道を走っていると物々しい軍用車両をよく見かけます。
バイクを走らせること約1時間。いよいよ幹線道路を外れ、このルートのハイライトとも言える断崖絶壁の道へと突入しました。

このエリアの道路は、文字通り巨大な岩山を力技でくり抜いて作られています。
頭上にはせり出した岩肌が覆いかぶさり、すぐ横は遥か下の川へと続く垂直の崖。場所によっては車1台がなんとか通れる程度の狭い道が谷に沿ってずーっと伸びているのは結構な迫力です。
もっとも、行きはほぼ山側で崖から距離があるため、精神的には落ち着いて運転できます。

交通量自体はレコン・ピオ周辺に比べると減っていますが、想像よりも車の通行量は多いです。ここはキナウルでも割と有名な観光地のため、自家用車やツアー車で観光に来るインド人も多いよう。

本当は途中の村々の歴史のある古寺にも立ち寄りたかったのですが、バイクを止めて写真を撮っているとすぐに時間が過ぎてしまいます。帰路にじっくり観光することにして、今は先を急ぐことにしました。
途中のサングラという町でアイス休憩。物価は平地と変わらない感じ。



チトクル手前の村ラックチャムあたりまではまあ舗装路といえる道だったのですが、この辺からはオフロードが多くなります。


また、チトクル手前のチェックポストではパスポートチェックが必要、と聞いていましたが、僕が行ったときはポスト内で寝てる軍人がいるだけでスルーでした。

そんな山道をゆっくり走り、14時過ぎにチトクルへ到着しました。

チトクルに到着
チトクルの標高は約3,450m。周囲を荒々しい岩山と、白く輝く雪山に囲まれた美しい谷の底に、ひっそりと村が広がっています。

途中のサングラあたりまでは携帯の電波が入っていたのですが、チトクルでは全く繋がりません。どうも僕がローミングで使っているAirtelなどの民営キャリア、とくに国際ローミングのSIMは繋がらないらしい。

携帯の電波がないため、インドで広く普及しているQRコード決済「UPI」もここでは全く使えません。そのため、この地域を旅するときは十分な現金を持っていく必要があります。

ホームステイ
ホームステイは思ったより多い。僕は「KAAS Homestay」というところをAgodaで予約して、一泊3,000円弱くらい。

シャワーに給湯器はついているものの、若干ぬるいお湯というか水がでる程度で夜浴びるのはつらい感じです。この金額ならお湯は出てほしい……。
Wifiは早くはないですが使えます。


チトクルを観光
翌日はチトクルを観光します。
Rani Kanda Flag Point
まずはチトクルからさらにチベット国境の方へ進んだ先にある「Rani Kanda Flag Point」へ。

ここが一般人が立ち入れる限界……と思っていたのですが、どうやら現在立ち入りが許可されているのはインド人だけのよう。
ポイントの少し手前に設置された軍のチェックポストでIDチェックがあります。インド人観光客は身分証明書を提示して先へと進んでいきますが、外国人の僕はそこで弾かれてしまいました。

残念ですが諦めて別のスポットへ向かいます。
Mathi Temple
この地域特有の、木と石を精巧に組み合わせたキンノール建築様式のお寺です。屋根の美しい装飾を見上げていると、ここがヒンドゥー教とチベット仏教の文化が混ざり合う境界線なのだと実感させられます。
マティ女神はこの村を災いから守る守護神として、地元の人々から深く信仰されているそうです。

National Flag Point
次に目指したのは、チトクル裏山の山頂にあるビューポイント「National Flag Point」です。
ここへの道がとにかく分かりにくい。 ところどころに踏み跡はあるものの登山道らしいものはなく、山頂を目指して適当に斜面を登っていくしかありません。

登りは昔使われていたと思われる歩き道を進んでいたのですが、気がつくと目指していたピークを通り過ぎてしまっていました。完全にルートを外れてしまい、山の西側から力技で登る羽目に。

途中からはトゲのある藪が生い茂る急斜面を進み、何度か登り返しつつ一時間ほどで頂上へ着きました。



帰りは東側から下山します。こっちもルートらしいルートはありませんが、西側に比べるとだいぶ楽そうです。
バイクでカルパへ
チトクルの絶景を堪能した翌日、レコン・ピオ方面へと帰ります。
今日はレコン・ピオからさらに九十九折の坂を登った山の上に位置するカルパというところに泊まる予定です。

山道の途中でバイクを一時停車しようとしたその時、道路に空いた穴にたまった砂に足とタイヤを取られ立ちゴケ。
ほとんど停車していたため体へのダメージはありませんが、倒れたバイクと地面の間に左足が挟まれてしまいました。
何とかバイクを起こして跨ってみると運転自体はできそう。ただ、歩こうとするとズキズキとした痛みが走ります。
もともとは往路でスルーしたサングラ(Sangla)などの村々に立ち寄って観光しようと楽しみにしていたのですが、この状態では歩き回るのは無理そうです。
残念ですが観光は諦めてまっすぐカルパへ帰ります。
これまで以上に慎重に運転を続け、レコン・ピオから坂を登った先にあるカルパの村に到着しました。
下界のレコン・ピオに比べると、確かに外国人やバックパッカーに人気がありそうな素朴で美しい村です。

できればここもゆっくり観光したかったのですが……転倒した直後はアドレナリンが出ていたせいか痛みもそこまで気にならなかったものの、夜になるにつれて足がズキズキと痛みだしてきました。これはダメなやつかもしれない。

明日はレコン・ピオにあるローカル病院へ向かいます。

